九州大学と日立製作所は1月31日、九州大学情報基盤研究開発センターが学内外の研究者向けにネットワークを介してスーパーコンピュータ(スパコン)を利用した計算サービスを提供する研究用計算機システム「高性能アプリケーションサーバシステム」の本格稼働を2013年12月27日より開始したことを明らかにした。
同システムは、日立のテクニカルサーバ「HA8000-tc/HT210」を965ノード搭載し、712.5TFLOPSの理論演算性能を実現したPCクラスタ型のスパコンを中核としたシステムで、通常のXeon E5-2697 v2に加え、アクセラレータとしてIntel Xeon Phiコプロセッサ5110Pを搭載することで、さまざまな計算プログラムに対して高い計算性能を発揮することが可能。総合理論演算性能は720.6TFLOPSとなっている。
また、大容量のメモリを必要とする計算プログラムを実行する計算環境には、1ノードに16TBの大容量共有メモリを実装し、CPUには32個のPOWER7を搭載することで8.1TFLOPSの理論演算性能を有するスーパーテクニカルサーバ「SR16000モデルVM1」を採用したほか、並列処理を実行する複数ノード間でファイルを共有するシステムとして、日立が独自に開発したソフトウェア「Hitachi Striping File System」を採用し、高速なデータ転送を実現したという。なお、ストレージには日立のユニファイドストレージ「Hitachi Unified Storage 100シリーズ」を採用し、合計約4.1PBの大容量ディスク環境を実現するとともに、日立独自のストレージコントローラ自動負荷分散機能によって、特定のストレージに負荷の集中が始まった場合、自動的にストレージ内部で負荷を分散し処理が滞らないような工夫が施されているという。
なお九大では、今回導入した「HA8000-tc/HT210」965ノードと同センターですでに稼働している高性能演算サーバを連携させて演算性能評価としてLINPACKを実行させたところ、1PFLOPSの実行性能を達成したことを確認したという。