計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは1月30日、USB 3.0 SuperSpeed Inter-Chip(SSIC)、およびMIPI Camera Serial Interface 3(CSI-3)に対応したプロトコルデコードソフトウェアを発表した。

SSICは、USB 3.0プロトコルを使ってチップ間通信を実現する技術で、標準化団体であるUSB-IFで策定された。MIPI Alliance MIPI M-PHYの物理層上で、USB 3.0のプロトコルで通信を行うことが可能。これにより、USB 3.0をモバイル機器に実装しやすくなる。CSI-3規格は次世代カメラインタフェースで、MIPI Allianceが開発したもの。スループットが向上しており、現在のCSI-2規格と比べて様々な機能を搭載できるようになる。また、電力効率もこれまでの規格と比べて改善している。CSI-3インタフェースは、MIPI UniProプロトコル層およびMIPI M-PHY物理層の上位で動作する。

2つのソフトウェアは、同社のオシロスコープ「90000A/90000X/90000Q」シリーズ上で動作し、SSIC/CSI-3インタフェースの設計検証やデバッグを効率的に行うことができる。それぞれ、SSIC v1.0およびMIPI CSI-3 v1.0仕様に基づいたプロトコルパケットのデコードが可能。初期デバッグでの使用の他、インタフェース上のトラフィックの解析に使用することもできる。また、プロトコルとタイミング測定の結果を、相関をとって表示することも可能となっている。さらに、シンボル、パケット、フレーム、ペイロードの詳細表示できる。加えて、高速(HS-BURST)伝送モードと低速パルス幅変調(PWM-BURST)伝送モードをサポートする他、パケットの巡回冗長検査(CRC)、様々なフレーム、シーケンス、エラーに対する検索機能を備えている。これにより、現在の5.8GbpsのMIPI M-PHYだけでなく、将来見込まれる11.6Gbpsへの高速化にも対応できる。この他、低ノイズおよび低ジッタ測定フロアにより優れた測定確度を実現しているの加え、63GHzまでの帯域アップグレードにより、さらに高速なデータレートの設計を行う場合でも過去の投資を有効活用できる。

また、ソフトウェア「U2809A PrecisionProbe」と併用することで、設計マージンに余裕を持たせ、信頼性の高い設計を行うことが可能。USB 3.0プロトコルデコードソフトウェア「N8805A」、UniProプロトコルデコードソフトウェア「N8808A」、MIPI M-PHY送信コンフォーマンス試験ソフトウェア「U7249B」も提供しているという。

なお、価格は「N8819A USB 3.0 SSIC」が40万1310円(税別)、「N8820A MIPI CSI-3」が約35万円の予定。2月1日より販売を開始し、2月中の出荷開始を予定している。

USB 3.0 SSIC対応プロトコルデコードソフトウェアの画面