Texas Instruments(TI)は1月27日、12.5GbpsのJESD204Bインタフェースをサポートする2.5GSPS 16ビットD/Aコンバータ(DAC)「DAC38J84/38J82」など4品種を発表した。

「DAC38J84/38J82」は、マルチモード2G/3G/4G携帯基地局からLTE-Advancedや複数のアンテナ上へのキャリア集積など、より高度な技術への移行の際に必要となる帯域幅、性能、小実装面積、低消費電力、および広帯域パワーアンプのデジタルプリディストーション、ミリ波バックホールインフラ、信号ジャミング、レーダ、試験装置向けに最大2GHzの情報帯域などを備える。さらに、「DAC38J84」とAlteraのFPGA「Stratix V」や「Arria V」を組み合わせて使用した際のレポート(Interoperability Report)が提供されており、FPGAと高速DAC間の迅速なリンク実装のためのガイダンスとして利用できる。

具体的には、「DAC38J84/38J82」は、1個当たり最大1.23GSPSの入力データレートを提供する。「DAC38J84」は、最大1GHzの複合情報帯域を備えた2つの独立送信パスを内蔵し、競合する4チャネルDACと比較して、伝送速度を67%高速化している。また、単一パス複合送信のために2個の複合キャリアブロックを加算する前に、2つのブロックを独立して混合し、必要な周波数を作成できるマルチバンドサメーションブロックを集積している。これにより、1対の2.5GSPS出力DACで、最大2GHzの情報帯域をサポートできる。さらに、携帯電話基地局共通のデータレートである1.474GSPS時の消費電力が1100mWで、既存の4チャネルDACと比較して、消費電力を50%削減できる。2.458GSPS動作時の消費電力は1612mWとなっている。この他、ピン互換の4チャネル「DAC37J84」と2チャネル「DAC37J82」は最大1.6GSPSで動作する。

評価モジュール「DAC38J84EVM/37J84EVM/38J82/37J82EVM」は、2.5GHz DACのクロックとマルチSYSREF信号を提供し、JEDEC JESD204Bマルチチップの完全同期を実現するJESD204Bクロックジッタクリーナ「LMK04828」を搭載している。さらに、基板のシグナルインテグリティ要件検証のためのIBISモデルも供給中。4品種のDACのリファレンスデザインは2014年第2四半期より提供開始の予定。リファレンスデザインは「LMK04828」の他、2個の広帯域複合モジュレータオプションを搭載し、最大4GHzの包括的ビット-RFソリューションを提供する。加えて、モジュレータのオプションとして「TRF3705」と、PLL/VCO内蔵の「TRF3705」の新バージョンも提供される予定。この他、パターンジェネレータ「TSW14J56EVM」、データキャプチャカードの他、「ADS42JB69EVM」などのADC用評価モジュールを、DAC用評価モジュールと組み合わせて使用することにより、包括的な送受信評価システムの構成が可能になるとしている。

なお、パッケージは10mm角のBGA。価格は1000個受注時で「DAC38J84」が120ドル、「DAC38J82」が70ドル、「DAC37J84」が79ドル、「DAC37J82」が39.95ドル。すでにサンプル出荷を開始しており、量産出荷は2014年前半より開始の予定。

TIの2.5GSPS 16ビットD/Aコンバータ「DAC38J84/38J82」のパッケージイメージ