クオリカは1月27日、岐阜県郡上市のNPO法人「つくしん棒」と共同で、M2Mのデータ連携をサポートする「CareQube(ケアキューブ)」を応用した高齢者見守りシステムを開発し、郡上市の高齢者世帯において実証実験を開始していると発表した。
同システムは、ライフラインである水道の利用量をモニタリングすることで高齢者世帯の安否を含めた生活リズムを把握し、高齢者の生活支援を行うというもので、2013年6月より、郡上市の一人暮らしの高齢者世帯に設置し、実証実験を行ってきた。
半年間の実証実験の結果、一定の成果を得られたことから、今後、正式なサービス提供に向け、さらに仕組みの拡充を図り、メニュー化を進めていく。
実証実験を行っている仕組みは、クオリカが主に産業機械の予防保全向けにクラウドサービスとして提供しているM2Mサービス「CareQube」を応用し、水道メーターの情報を収集するというもの。
水道の利用量のデータは、3G回線を通してリアルタイムでクオリカのデータセンターに収集され、その情報はWebからいつでも確認可能。また、別世帯で暮らす親族や地域の見守りボランティアなどの関係者に、水道利用情報を定期的にお知らせメールとして配信する機能や、見守り対象世帯の住所を地図に表示したり、水道利用量をグラフで表示したりできる管理機能も備えている。
水道の利用量を用いた見守りの取組みは他にも提供されているが、利用料が高い、通信状況によりデータが途切れることがある等の課題があると言われているが、今回の仕組みは、クラウドサービスとして提供する予定であるため、水道メーターに設置する機器の料金と、初期設定費用、そして月々の利用料だけで、データの収集から分析、活用までを利用することができる。
また、CareQubeは通信が途切れた場合でも機器内部にデータを蓄積する機能を保有しているため、通信状況が悪い中でも、データの一時的な欠落なく情報を収集することが可能で、今回の実証実験においてもデータ欠落は発生していない。