富士通の米国研究所である米Fujitsu Laboratories of Americaは、ICTを活用したコミュニケーション能力や批判的思考力など、これからの情報化社会に求められるスキルを養うための新たな学習手法であるキュレーション・ラーニングと支援するプラットフォームを開発したと発表した。
同社が今回開発したのは、MITとの共同研究の結果をもとに、Web上で学習者が自分の興味・関心に基づいて自発的に必要な情報を効率良くさがすと共に、各自が自分の考え・意見を加えてまとめ、まとめた結果をほかの学習者にひろげて相互に学びあう、キュレーション・ラーニングを支援するプラットフォーム。
主な機能は、
・検索先のカスタマイズ:授業目的に沿ったコンテンツのみを効率的に収集することで、学習者に適したコンテンツのみを検索する機能
・まとめた結果の検索:ウェブからの検索結果に加え、学習者がまとめた結果も検索可能とすることで、より価値の高いコンテンツを見つける機能
・多様な形式のコンテンツに対応したまとめの作成:SNS、ブログ、ビデオ、写真などの様々な形式のコンテンツをキュレーション・リストに追加し、学習者自身の意見や考えを付箋として貼り付けて、まとめを作成する機能
・グループによる協働作業:1つの課題に対し、複数の学習者が協力してまとめを作成する機能
・習得した知識の可視化:学習者がまとめた結果を分析し、学習トピックをキーワードレベルで可視化することで、習得した知識を容易に把握する機能
学習コミュニティー:学習者の学習記録をもとに興味や嗜好の近い学習者を推薦し、学習コミュニティー形成をサポートする機能
教師がこのプラットフォームを活用することにより、学習者の能動的な授業への参加と授業中または授業外での生徒の批判的思考力、コミュニケーション能力、ICTリテラシーなど、21世紀型のスキルで求められる能力の醸成を促す。
本手法は、学習者が単に情報の獲得だけではなく情報を知識に変えていくことを目的として、能動的に「さがす」「まとめる」「ひろげる」といったサイクルを回しながら学習を行う。
同社では、検索や分析など開発技術の精度をさらに向上させ、大学や企業で活用可能な大規模なオンライン学習システムへの適用を推進する。