日本IBMは1月24日、同社が2013年4月から提供するオールフラッシュ・ストレージ「IBM FlashSystem」のラインナップを拡充し、I/O処理性能を約2倍に向上した2Uのフラッシュ・ストレージ「IBM FlashSystem 840」を発表した。同日から販売、出荷が開始され、最小構成価格は(4TB、Single RAID、1年保証)の1,576万円(税別)から。
「IBM FlashSystem 840」は、ひとつの筐体に4TB~最大48TBのストレージ容量を搭載可能で、I/O処理性能は従来製品である「FlashSystem 820」の約2倍にあたる110万IOPSに高速化した。容量は2TBと4TBのモジュールを最大12枚搭載でき、柔軟な容量選択が可能。
また、インタフェースには40ギガビット QDR InfiniBandに加えて16ギガビット/秒対応のファイバーチャネルおよび10ギガビットFCoE(ファイバーチャネル・オーバー・イーサネット)を追加している。
さらに新製品は、堅牢性、保守性の分野の強化を行っている。その背景を日本IBM システム製品事業本部 ストレージセールス事業部長 波多野敦氏は、「2013年4月からIBMFlashSystemを提供しているが、お客様からは堅牢性、保守性を強化してほしいという声をいただいた。今回はこれを反映した形で840を提供する。これによって企業基幹システムの中核に導入できると確信している」と述べた。
具体的には、保守性ではほとんどの部分の交換が稼働中に行うことができ、セキュリティ面では、AES-XTS 256びデータ暗号化機能を提供する。
また、「IBM FlashSystem 840」は、フラッシュ・モジュール単位で構成されるRAIDに加え、モジュールをまたがったRAID構成を行う「2D(二次元) RAID」によってフラッシュ・モジュールをホットスワップ可能にする。
同時に、フラッシュのチップに障害が発生した際に自動的に性能とストレージのキャパシティを調節し、システムの停止時間を削減する「IBM Variable Stripe RAID」技術を採用する。
同社では、新製品をパフォーマンスの改善だけでなく、アプリケーション導入時にストレージ環境をあらかじめ「IBM FlashSystem 840」に合わせたデザインにして購入コストの低減(より少ないサーバでより高いパフォーマンスを発揮するなど)を図ることや、基幹システムのストレージとして利用してもらうことも想定している。
そのため、「IBM Flashパートナーズ」プログラムにより、13社のパートナー企業と、Oracle Database基盤やMicrosoft SQL基盤、VMware Horizon View(VDI)環境、データ・マイニング(SAS)環境、SAP ERP環境などのソリューションに「IBM FlashSystem」を組み込んで展開していく。
また、同社では3月までのキャンペーンとして、3年保証の3つのモデルを特別価格で提供する。