NECは23日、神奈川県内にクラウド基盤サービスとハウジングサービスのハイブリッド利用が可能な「NEC神奈川データセンター」を開設すると発表した。同データセンターは、1月27日に神奈川県内に開設を予定しており、同日からハウジングサービス、4月からクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」の提供を行う。
同データセンターは、新宿駅から約1時間のアクセスで、かつ活断層から9km以上・海岸から30km以上離れたハザードマップの被害想定区域外に立地する。建屋は耐震構造、マシンルームは免震構造を採用し、満床時最大72時間の無給油連続運転が可能な自家発電装置の設置や電源設備の冗長化を実施している。データセンター内のマシンルームは1万m2まで拡張可能で、同社最大規模のデータセンターとなる。データセンター内設備については、同社が独自開発した専用の省電力・高集積サーバやサーバ冷却装置、採用した最新の設備を投入し、安心安全に努めるという。
セキュリティ面では、マシンルームへの入室にICカード認証、サークルゲート、高い精度を持つNECの顔検出・顔照合エンジン「NeoFace」を採用し、なりすましや共連れを防止するほか、同社のセキュリティ専門組織と連携したセキュリティ監視やサイバー攻撃防御により、外部からの脅威に対するセキュリティを確保する。また、米国公認会計士協会が定める受託業務の内部統制保証報告書の取得を予定しており、顧客の内部統制監査対応業務の効率化を実現する。
同社が新たに開発した省電力・高集積サーバは、1ラックあたり700サーバを収容可能で、従来のサーバと比較して、消費電力と設置スペースを1/4に削減する。
また、二重構造の天井から冷気を吹き降ろし温まった空気を再び天井内で冷やすことで、機器の配線に影響を受けにくく効率的に冷却できる空調方式を採用し、従来の床から吹き上げる方式と比較して消費電力を約20%削減。さらに、省電力・高集積サーバには冷媒の気化の際に熱を奪う原理により冷却する「相変化冷却方式」を基にNECの中央研究所が開発した冷却装置を採用し、同社のブレードサーバの水冷方式と比較して消費電力を約30%削減するという。
NECは今後、「NEC Cloud IaaS」とハウジングサービスの拡販を進め、「NEC Cloud IaaS」のサービスメニュー拡充や海外を含むサービス提供拠点の拡大を推進し、顧客の事業拡大・企業価値向上に貢献。そして、これら構築ノウハウを活かし、新興国を中心に企業における早期のDC構築を支援するソリューションの提供を計画している。