IDC Japanは1月23日、国内のビジネスアナリティクス市場とビッグデータ市場の比較を行い、2013年から2017年の両市場の予測を発表した。
これによると、2017年の国内のビジネスアナリティクス市場の規模は1兆1,400億円で、その内、ビッグデータ市場が占める割合は、2012年の2.3%から2017年には8.9%になると予測。
同社ではビジネスアナリティクス市場を、ユーザー企業が利用している会計など基幹業務向けのワークロードや、ビジネスインテリジェンス、データウェアハウス、データマイニング、統計解析、CRM(Customer Relationship Management)やSCM(Supply Chain Management)などのビジネスアプリケーション、画像、音声、テキストなどのデータを解析、分析する市場と定義。また、データのサイズや種類に依存することなく広範な分析・解析を行うIT市場全般を定義している。
一方、ビッグデータ市場は、扱うデータサイズが100TB以上、またはストリーミングデータを利用していること、または年率60%以上の成長率で生成されるデータであることのいずれかの条件を満たしたアナリティクス市場と定義している。
一方、現在ITベンダー各社による、「ビッグデータ」の定義は一律ではなく、データの大きさや種類などは各社独自の定義でビッグデータ市場の市場規模や売上目標を公表しているのが現状。
同社では、「2013年 国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場 需要動向分析:2013年から2017年の予測(2013年8月発行[J13581001])」で国内のビッグデータ市場の市場規模を発表したが、今回、国内ビジネスアナリティクス市場と国内ビッグデータ市場を比較することにより、ビジネスアナリティクス市場におけるビッグデータ市場の位置付けを明確にする目的で本調査を行った。
これによると、国内ビジネスアナリティクスの市場規模は、2012年の8,900億円から、年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)5.2%で成長し、2017年には1兆1,400億円に達すると予測。一方、国内ビッグデータの市場規模は、2012年の207億円からCAGR37.5%で成長し、2017年には1,016億円に達すると予測している。
IDCではこの調査結果から、国内のビッグデータ市場は、アナリティクス技術の進展と共に急速に成長するとみている。IDC Japan サーバー リサーチマネージャーの林一彦氏は「ビジネスアナリティクス市場、ビッグデータ市場共にデータの規模および種類の差を除けば市場特性は類似。ITベンダーは、ユーザー企業がビッグデータに対して関心を持ち始めている今こそ、企業が持っているデータをビジネスに対し有効に利用する提案や施策を行い、アナリティクスニーズの吸い上げを積極的に図るべきである」と述べている。