マイクロアドは1月22日、関東鉄道の協力のもと茨城県つくば市で、バス車内やバス停に設置したデジタルサイネージ機器を利用した地域活性化のための広告ソリューションサービスの配信実験を行った。
バス内には、24台のデジタルサイネージパネルを設置し、ネットワーク経由で広告を配信。この日の実験では手動で広告切り替えを行っていたが、時間帯やバス路線ごと、バスの位置情報などをベースに地域の情報を流すといったことを想定している。例えば、大学キャンパス付近では、学生向けのファッション広告を表示するといった例が挙げられる。
バス停には、タッチ操作もできる大型デジタルサイネージ機器を設置。近隣店舗の広告配信を想定したもので、タブレット端末などで利用できる管理システムから簡単な操作で広告内容を変更できる仕組みとなっている。こちらは、デジタルサイネージの特性を活かし、例えば入荷商品情報やタイムセールなどといった広告をリアルタイムで配信するといった利用が考えられる。サイネージ機器には、QRコードやSMSを使ってその場でクーポンをスマートフォンに保存することもできる。
デジタルサイネージは商業施設や駅、電車内、屋外ビジョンなど拡大が進んでいる。マイクロアドも、同社の主力事業であるPCディスプレイ広告を渋谷109などの街頭ビジョンに試験的に配信するなどの取り組みを行っており、バスのデジタルサイネージにおいても、KDDIと両備バス(両備ホールディングス)が地域密着型O2Oサービスのトライアルを実施している。
このような中で、マイクロアドは同社のもつアドテクノロジーの強みを活かし、地域に最適な広告配信システムを開発。「地域商店街の各事業主と地元に密着したバスとを連携させ、新しい収入源の提供に加えて商店街とバスの利用を促す取り組み」として今回の実験を行ったとしている。
今回の実験はコンセプト紹介の段階。同社では、取り組みの結果をふまえ今後のサービス展開を検討していくとしている。実際の導入例はまだ無いが、今回の取り組みに関し、すでに同社には交通事業者などから問い合わせが寄せられており、事業者の関心も高いようだ。