IDTは1月22日、無線基地局向け統合型デジタルプリディストーション(DPD)復調器「IDTF1320/1370」2品種を発表した。

2品種は、それぞれ400~1200MHzと1300~2900MHzのワイヤレスシステムに最適化されており、復調器、およびデジタルステップアッテネータ(DSA)、高絶縁の単極双投(SP2T)スイッチが含まれ、システムソリューションのコスト、基板の実装面積、部品表を最小限に抑えることができる。また、革新的なアーキテクチャと設計の採用による高水準の集積化の実現により、従来のソリューションに比べ1W以上の節電を図ることができる。その結果、放熱量とエネルギー使用量が削減され、冷却要件の緩和、装置のフォームファクタの縮小、運用コストの削減に寄与することが可能となったという。さらに、優れた線形性と高帯域幅をもたらすため、あらゆる種類の無線基地局用トランスミッタを線形化するための柔軟なソリューションとなると同社では説明している。

加えて、高絶縁SP2Tスイッチが含まれるため、複数入力・複数出力(MIMO)システムに簡単に組み込める。同時に、集積型のGlitch-Free DSAにより、復調器に到達する入射信号の強さを最適化するための動的な調整が可能となる。さらに、Zero-Distortion復調器はA/Dコンバータ(ADC)を直接動かせるため、大半の用途で中間周波数(IF)可変利得アンプ(VGA)を削減できる。

そして、ダイナミックレンジが高いため、DPDループの性能が向上し、隣接チャネル漏洩電力比(ACLR)とエラーベクトル振幅(EVM)が最小化されることから、システム全体でトランスミッタの性能が改善し、既存の周波数帯で従来より高帯域幅のインターネットおよびデータサービスを提供できるようになるという。

なお、パッケージは6mm角の36ピンVFQFPN。現在、特定の顧客向けにサンプルを出荷中。

IDTの無線基地局向け統合型DPD復調器「IDTF1320/1370」