テクトロニクス社は、オシロスコープ「MSO/DPO70000」シリーズで実行するMIPI M-PHYレシーバテストソリューションの機能拡張を発表した。

同ソリューションにより、M-PHYをベースとした次世代モバイル機器の開発において、規格適合テスト、製品検証、マージンテストを簡単に自動化でき、設計やシグナルインテグリティの問題を解決できる。拡張される機能は、High Speed Gear2およびGear3の物理レイヤレシーバテスト、PWMモード(G0~G7)、自動校正、マージンテスト。このうち、HS Gear2、Gear3およびPWMモード(G0~G7)のサポートにより、すべてのレンジのデータレートでテストすることが可能になり、設計を総合的に解析することができる。また、High Speed Gearの自動校正サポートにより、セットアップの複雑さが軽減されるため、時間を短縮しデバイスを素早くテストできる。High Speed Gearのマージンテストでは、厳しい条件で検証し、ストレスをかけることが可能なため、競合する技術仕様に対する性能が確認できる。

さらに、Prodigy Technovations社との協業により、RFFEおよびHSIのプロトコルデコードソリューションも発表した。RFFEは、RFICとアンテナチューナやパワーアンプなどの周辺機器とのバスインタフェースである。M-PHYデバイス、メモリインタフェースのマルチレーンデコードなど、UniproおよびUFSのデコードソリューションも利用できる。

MIPI AllianceのM-PHY仕様は、既存および将来のモバイル機器、民生デバイス市場に対応するスケーラブルで柔軟性のある、低消費電力、ローコストのPHYソリューションを可能にする。現在、変更可能なGear、ターミネーション、振幅、ハイスピードシリアルデータレートなど、M-PHYにはレシーバ/トランスミッタ側の両方に様々なテスト課題があり、専用のテストソリューションが必要になる。M-PHYTX/M-PHYRX自動ソフトウェアは、数多くのM-PHYトランスミッタ/レシーバのテスト要件をカバーし、優れたプロトコルデコードサポート機能を備えている。また、トランスミッタ側では、テストのセットアップと実行は自動化され、1台の計測器のみで実行できる。M-PHYレシーバテストでは、パフォーマンスオシロスコープと任意波形ジェネレータ「AWG7000」シリーズのみが必要になる。さらに、自動化ソフトウェア「TekExpress」は、セットアップ、テストにおいて、使いやすいユーザインタフェース、直感的な操作手順を提供する。

なお、価格は134万円(税別)となっている。

M-PHYレシーバテストソリューションのスクリーンショット