FreeBSD - The Power To Serve

先日、最新のメジャーアップグレードバージョン「FreeBSD 10.0-RELEASE」が公開されたFreeBSDだが、開発ブランチはすでに「FreeBSD 11-CURRENT」へ移行している。1月21日(協定世界時)には開発版をFreeBSD 11-CURRENTとするコミットがbsd-family-treeに対して実施された(リビジョン260977)。FreeBSDはメジャーアップグレードバージョンの開発に2年間ほどかける傾向があるため、「FreeBSD 11.0-RELEASE」は2016年1月以降に登場するものとみられる。

FreeBSD 11で取り組まれる開発に関しては今後開催される国際会議や開発者会議(AsiaBSDConBSDCanEuroBSDCon、各国で開催されるDevSummit)で議論が進められることになるものとみられるが、現在でもいくつかの機能に関しては11.0-RELEASEでの登場が考えら得る。主な取り組みは次のとおり。

  • 日本語をはじめマルチバイトに対応した新しいビデオベースのシステムコンソールvt(4)の導入
  • 準仮想化に対応した高性能デバイスドライバの実現
  • Jailにおけるネットワークスタックの分離機能をデフォルトで有効化(VIMAGE)
  • リソース制御機能をデフォルトで有効化(RCTL)
  • BHyVeにおけるWindowsゲストのサポート
  • NUMAにおける性能の向上/メニーコアにおける性能の向上
  • InfiniBandデバイスサポート状況の改善/10GbE/40GbE NICサポートデバイスの追加
  • サポートするプロセッサ種類の追加(ARM、MIPS、PowerPC)

FreeBSDは高性能アプライアンスから汎用ゲーム機器、組み込みデバイス、NASストレージまでさまざまなシーンで活用されている。成果物をプロジェクトにバックポートすることに積極的なベンダから提供される機能のマージなども進むものとみられ、エンタープライズユースに要求される多くの機能が登場することになるものとみられる。

FreeBSD 11-CURRENTの動作例

FreeBSD 11-CURRENTの動作例

FreeBSD 11-CURRENTの動作例

FreeBSD 11-CURRENTの動作例