BtoCと比べると、特有の難しさがあるBtoBのFacebookページ運営。成功している法人向けのFacebookページを事例に、BtoB企業がおさえておくべきFacebookページ運営の4ポイントをご紹介していきます。
こんにちは、SMM Lab ゲストライターの柴です。
よくいただくご質問のなかに「法人向けのFacebookページで良い事例はないですか?」「BtoBの場合、Facebookページは盛り上がりにくいのでしょうか。」というものがあります。これまで何千という国内のFacebookページを見てきましたが、正直BtoBはBtoCに比べると成功事例が少ないというのも事実です。
今回は、そんななかでも成功している法人向けのFacebookページを事例に、BtoB企業がおさえておくべきFacebookページ運営の4ポイントをご紹介していきます。 すぐにでも参考にできる内容がいっぱいです!
1、身近な話から興味を持ってもらう
あなたのFacebookのニュースフィードを思い出してください。そこには普段、どのような情報が流れていますか?
友達の近況を中心に、食べ物や服、音楽などあなたの趣味嗜好にまつわるFacebookページの投稿などが確認できるのではないでしょうか。
つまり、自分が興味のある情報があふれているプライベート空間になっているわけです。 そんな空気のなかで、ファンの興味を惹くことができるか。ということが、法人向けのFacebookページ運営が難しい要因の一つなのです。
対策としては、ファンにとって身近な話をするということが考えられます。こちらにある顧問弁護士SOS 谷原 誠のFacebookページの投稿をご覧ください。
最近起こった話題のニュースに「半沢直樹」「倍返し」といった旬のキーワードを絡めています。 そして、続きの文章やブログの記事では、法律に基づきながらも独自の視点を盛り込んだ解説をしています。運営者である弁護士の知見の深さがうかがえます。
つい読んでしまうような身近な話題から入り、実際に読みすすめていくうちに運営者の信頼性がアップするような内容なのです。
2、専門用語は控えめに
多くの投稿が流れていくニュースフィードにおいて、言いたいことをきちんと伝えることは思っている以上に難しいものです。
ましてやそれが、絶景や料理写真のように感情や欲求に訴えてくるものではなく、ビジネスなど頭を使わなければならない話なら、なおさら。
なるべく専門用語などは使わずに、わかりやすい話に置き換えて解説していくように心がけたいですね。そこで、こちらをご覧ください。CMSやクラウドのインテグレーション事業を行っている株式会社スカイアークのFacebookページの投稿です。
「会った回数」「お客さまだけに特別に見せたいウェブサイト」「キズナ」などのわかりやすい言葉を使いながら、新しいクラウドサービスを解説しています。
あなたも、投稿に専門用語が並びそうになったら、他の言葉に置き換えられないかを考えてみてはいかがでしょうか。
3、サービスの魅力はイメージしやすく
BtoB企業で、扱っているものがモノではなくサービスである場合は「魅力が伝えづらい」という課題もあります。
ひとつの投稿を見てもらえる時間が短く、頭よりも感覚に訴える投稿が優勢なFacebookのニュースフィード。サービスの魅力を言葉でくどくど説明するのではなく、画像をうまく使ってイメージしやすくする工夫が有効です。
こちらの請求書の作成、管理、郵送 「MakeLeaps」のFacebookページの投稿をご覧ください。
左は画像のなかでサービスを使った場合と使わなかった場合の比較をしています。一目でサービスを使うことのメリットが伝わります。
右はサービスを使った場合に得られる恩恵を画像を使って表現しています。ファンが自分ゴトとしてイメージできるようなシーンを扱っているところも巧いですね。
4、仕事のなかに入り込むネタを提供する
ファンは年中Facebookにアクセスしていられるわけではありません。事実、アメリカでは5人に1人の割合で業務中のFacebookへのアクセスが禁止されている(※)という調査結果もあるのです。
※Statista『1 in 5 Americans Cannot Access Facebook at Work』より引用。
日本での数値は不明ですが、常識的に考えれば、業務に関係ないかぎり仕事中にPCでFacebookを閲覧することはないと想像できます。
つまり、Facebookページでどんなにファンと接触していても、職場で思い出してもらえるような仕掛けがないと問い合わせにはつながりにくいのです。
ファンの記憶に強烈に残るようなコミュニケーションがはかれていれば問題ないのかもしれませんが、仕事に持ち込める手土産を渡すほうがより確実です。
仕事に持ち込める手土産とは、仕事で参考になるコンテンツのこと。サイトやブログの一記事でもよいですが、ダウンロードするような資料もおすすめです。
例えば、先にご紹介した顧問弁護士SOS 谷原 誠の場合(▼キャプチャ左)は書式集を配布しています。印刷して使ってもらうことが想定されますね。
また、ソーシャルメディアマーケティングラボ(Social Media Marketing Lab.)では(▼キャプチャ右)、調査結果を発表。こういったデータ関連は仕事の資料に引用されることも多いでしょう。
そして、前述の請求書の作成、管理、郵送 「MakeLeaps」では、プレゼンテーションに関するスライドを公開。プレゼンテーション用の資料作成時に確認したくなるような内容になっています。
ポイントは読んで終わりになるだけのコンテンツではなく、そのコンテンツを見ながら仕事をするようなものであることです。
ファンが、あなたのお役立ちコンテンツをどういうシーンで使うのかをイメージしてみると良いでしょう。
お客さまに喜んでもらえるコンテンツを考えよう
最後に、BtoBであってもファンは企業のなかの「個人」です。
そのため、Facebookの向こう側にいる人に喜んでもらえる情報を発信していくことが、BtoCと同様にFacebookページ運用の基本になります。
Facebookページの運用を始めるかどうか迷っているBtoB企業も多いかと思います。
その場合は、まず「自社ならではの価値ある情報とは何か」を考えてみてください。
過去にお客さまにお伝えして喜んでもらえた話をヒントにしてもよいでしょう。
もしコンテンツ案がたくさん思いつくようであれば、Facebookページを試してみる価値があるかもしれません。そして、それ以上にお客さまに喜んでもらえるコンテンツを考えたこと自体があなたの財産になるはずです。
ぜひ、今日からでもアイデアを考えて書き出してみてくださいね!
ライター紹介
柴 佳織(Kaori Shiba)
企業のFacebookページのコンサルティングから、解析・運用支援などを行う。また、Facebookマーケティングのライターや講師も務めている。