計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは1月21日、半導体の絶縁膜や誘電材料、太陽電池などの評価向けに「PX-X30 C10142A B2900A用超低周波インピーダンス測定ソフトウェア」を発表した。

同ソフトウェアは、「Agilent B2900A プレシジョンソースメジャーユニット(SMU)」を用いて、低周波インピーダンスを測定するもの。IV(電流-電圧)特性評価用の測定器である「B2900A」シリーズ1台で、1mHz~1kHzの低周波インピーダンス測定に対応できるようになる。有機デバイスなど、応答の遅いデバイスの評価に最適となっている。

具体的には、「B2900A」シリーズである「B2902A/B2912A」を制御し、交流信号を印加して電流/電圧の測定を行うことで、交流インピーダンスを測定する。電流/電圧測定レンジが広いSMUを用いた測定原理により、1Ω以下~1TΩ超の幅広いインピーダンスの測定が可能となる。主に半導体の絶縁膜評価で用いられるDCバイアス掃引測定の他、一般のインピーダンス測定器で採用されている周波数掃引測定機能も実装している。さらに、Cole-Coleプロットなど、電気化学インピーダンス測定で用いられる測定にも対応している。

半導体の絶縁膜評価では、欠陥準位の評価のために超低周波静電容量測定による評価が行われている。また、誘電材料や電池の評価では低周波インピーダンス測定が用いられている。一般に、低周波向けのインピーダンス測定器は高価なのに加え、1GΩを超えるような高インピーダンス測定の場合には、独自に測定システムを構築する必要があった。そこで今回、SMUを活用して、低価格で超低周波インピーダンス測定を実現できるソフトウェアを開発したという。

なお、価格は25万円(税別)から。すでに販売および出荷を開始している。