三菱電機は1月20日、Ku帯衛星通信地球局の電力増幅器に使用される高出力高周波トランジスタとして、電力増幅信号のひずみを補正する素子であるリニアライザを内蔵した出力電力20WのKu帯GaN HEMT MMIC「MGFG5H1503」を発表した。

同製品は、GaN HEMTの50W品「MGFK47G3745」、80W品「MGFK49G3745」と組み合わせることで、様々な出力の電力増幅器の高出力部の増幅段を構成することができるため、電力増幅器の小型化、高性能化、開発期間の短縮に寄与する。また、GaNの1チップ上に複数の増幅用トランジスタ、整合回路、リニアライザを搭載している他、従来3個の製品で構成されていた増幅回路を1個にしたことで体積を約60%削減し、電力増幅器の小型化が図れる。さらに、線形利得20dB(従来比約1dB改善)の高利得を実現している。そして、従来外付けしていたリニアライザを内蔵することにより、電力増幅器の低ひずみ化を実現。50W級トランジスタのドライバ段として使用することで、高出力時の線形性を確保した。

なお、サンプル価格は8万円(税別)。2月1日よりサンプル出荷を開始する。

三菱電機のリニアライザを内蔵した出力電力20WのKu帯GaN HEMT MMIC「MGFG5H1503」