Mentor Graphicsは1月16日、Linuxベースの車載インフォテイメント(IVI)システム開発を実現する「Mentor Embedded Automotive Technology Platform(ATP)」の最新版を発表した。
GENIVI 5.0に準拠した最新版では、グラフィック開発/最適化機能により、コンシューマエレクトロニクス同様のリッチなレスポンシブUIやHMIを迅速に開発できるようになる。加えて、ATPと「Mentor Embedded Hypervisor」を組み合わせることにより、安全性の確保が重要となるクリティカルな機能エリアのセキュアな分離を維持したまま、デバイス接続性などの多くの機能を、インフォテイメント用ハードウェアのSoCアーキテクチャ上に統合できるようになる。
最新版のATPは、Sourcery Analyzerを使用できる完全な統合型プラットフォームであり、高速起動やグラフィック性能などのユースケースを含めた組み込みIVIシステム全体のプロファイリングに対応している。加えて、X11およびWayland用のグラフィックフレームワークとGPUをサポートし、円滑なUI操作性、起動時間、レイテンシ、QMLの処理を視覚的かつ対話的に解析するためのQT 5.0向けパッケージも備えている。
また、Freescale Semiconductorの「i.MX6」、Texas Instruments(TI)の「OMAP5」、ルネサス エレクトロニクスの「R-Car H1」用システム評価ボード「Marzen」において、GENIVI 5.0、およびYocto Project 1.5に準拠している。さらに、ホストベースの開発/テスト環境向けの仮想BSPもサポートしている。
なお、Mentorは、GENIVIやYocto Projectといった標準規格に引き続き準拠していくと同時に、TIの「Jacinto 6」のような新たなマルチコアとそのヘテロジニアスなハードウェアへの対応も進めていく方針としている。