パナソニックは1月16日、水に高電圧を加えることで生成されるナノサイズの帯電微粒子水「nanoe(ナノイー)」が、試験空間において大気汚染物質PM2.5の含有成分である多環芳香族炭化水素5種、アルカン(ヘキサデカン)、芳香族カルボン酸(安息香酸)の分解、ならびに黄砂の付着真菌であるビルカンデラ菌の抑制に効果があることを検証したと発表した。
PM2.5は大気汚染の原因物質の1つである粒子状物質の中でも直径が2.5μm以下のもので、肺に入り込むと体外に排出できなくなるため、喘息や気管支炎のほか、発がんなどのリスクがあるとされている。今回、同社では、PM2.5の含有成分と黄砂付着菌に対して試験を実施し、帯電微粒子水「ナノイー」に以下の効果があることを確認したという。
PM2.5含有成分
- 多環芳香族炭化水素(5種) 36Lのボックス内にて、多環芳香族炭化水素(5種)に対し、帯電微粒子水「ナノイー」を曝露。8時間で78%~97%の分解効果を確認
- アルカン(ヘキサデカン) 6畳空間にて、ナノイーデバイスから1.5m離れた位置にアルカン(ヘキサデカン)を設置し、帯電微粒子水「ナノイー」を曝露。24時間で99%の分解効果を確認
- 芳香族カルボン酸(安息香酸) 6畳空間にて、ナノイーデバイスから1.5m離れた位置に芳香族カルボン酸(安息香酸)を設置し、帯電微粒子水「ナノイー」を曝露。8時間で98%の分解効果を確認
黄砂付着真菌
- ビルカンデラ菌 6畳空間にて、ナノイーデバイスから1.5m離れた位置にビルカンデラ菌を設置し、帯電微粒子水「ナノイー」を曝露。 8時間で99.0%以上の抑制効果を確認
なお、今回の結果について、金沢大学 理工研究域 物質化学系の牧輝弥 准教授は、「ナノイーが、黄砂とともに飛来しアレルギー発症の原因の1つと考えられているビルカンデラ菌に対して抑制効果があることがわかり、結果として、黄砂対策を含めた室内環境をより良くする技術としての可能性を有していることが示された」とコメントしている。