東京都・京橋のLIXILギャラリーは、見る者に香りに包まれての"選択"を考える仕掛けを提案する展覧会「木戸龍介展 -スウィッチ押すの押さないのどっちなの-」を開催している。開催期間は1月28日まで(水曜休館)、開場時間は10:00~18:00。入場無料。
同展では、木戸がこれまで使用していた楠や大理石の素材を「お香」に変更。2012年より始まった新シリーズ「Ash」から、LEGOブロックの都市と、オンオフを象徴するスウィッチによる新作インスタレーションを発表している。香り高く美しい姿を見せるカラフルなLEGOブロックの都市は、お香でつくられているため燃焼して灰になるという姿を連想させる。一方、スウィッチを模した作品はお香であったり、灰であったりとその状態はさまざまだが、それぞれに「Love」、「Art」、「war」などの言葉がつけられており、見る者に押すかどうかの"選択"について再考を促す作品だ。
なお、木戸龍介は1984年東京都生まれの美術家。2011年、東京藝術大学大学院修士課程を修了後、「トーキョーワンダーウォール2010」入選や「ブルームバーグ・パヴィリオン公募大賞」(東京都現代美術館、2012)を受賞し、2013年には海外レジデンスにて制作を行う。これまで、半永久的な素材(大理石、木材、金属)を細密に彫刻することで、水や炎といった常にかたちが変化するものを象り、現代社会で安易に知り得ていることがいかに不正確であるかを再考してきた。