Analog Devices(ADI)は1月16日、小型パッケージで、低消費電力の14ビットA/Dコンバータ(ADC)「AD9249/9681」を発表した。
同製品は、産業用超音波や計測機器、ヘルスケア用画像処理、軍用ECM機器、さらに通信用レシーバなど、パッケージサイズに制約のあるアプリケーションに適している。また、低消費電力かつ高性能なマルチチャネルデータアクイジションに対するニーズを満たしている。
「AD9249」は、1パッケージに16個のADCを集積、65MSPS変換動作時の消費電力はチャネル当たり58mWで、チャネル数の多い設計時でも発熱を抑えられる。また、8チャネルの「AD9681」は、125MSPS変換動作時でチャネル当たりの消費電力が110mWとなっている。両品種とも、小型パッケージで提供され、オンチップのサンプル&ホールド回路が特徴となっている。これにより、90dBcを超えるSFDR(スプリアスフリーダイナミックレンジ)と74dBFS以上のS/N比を実現している。
さらに、「AD9249」は最高周波数500MHz、「AD9681」は同455MHzで動作するデータ出力クロック(DCO±1、DCO±2)と容易に接続でき、ダブルデータレート機能をサポートしている。また、フル性能動作のためには、1.8V単一電源とLVPECL/CMOS/LVDS互換のサンプルレートクロックが必要となるが、ほとんどのアプリケーションにおいて、外付けのリファレンスやドライバ部品を必要としない。
なお、パッケージは両品種とも10mm角の144ボールCSP-BGA。価格は「AD9249」が113.86ドル、「AD9681」が197.20ドル。すでにサンプルおよび量産出荷を開始している。また、「AD9249」用評価ボード「AD9249-65EBZ」と「AD9681」用評価ボード「AD9681-125EBZ」もそれぞれ395ドルで供給中。