IDT(Integrated Device Technology)は1月15日、Qiに準拠し、1チップで5V入力対応のワイヤレス給電トランスミッタ「IDTP9038」を発表した。
同製品は、1チップのワイヤレス給電トランスミッタICで、A5およびA11コイル構成によるWPC1.1のQi規格に準拠している。これにより、Qi準拠のあらゆるポータブルデバイスに完全に対応した充電台を開発できるようになる。5V入力で動作し、あらゆる標準的なUSBポート、USB電源アダプタ、従来型の5Vアダプタで給電することができる。さらに、既存のソリューションが4つ以上のICを必要とするのに対し、単一の高効率ICとして設計されており、システムの複雑さを最小限に抑え、PCBルーティングの制約を緩和できる。
また、同製品の特徴は、内蔵型のマイコンと統合型のフルブリッジインバータで、低抵抗FETを備えており、柔軟性、PCBの専有面積の最小化、高効率の電力伝送を実現する。さらに、同社の特許出願中の制御回路は、CISPRの要件より15dB低いEMI性能を示している。このため、敏感なデバイスとクロストークを起こす可能性を低減できる。加えて、電力供給を制御し安全性を高めるために、BCS 1.2(D+/D-検出)の要件を満たしたUSB接続を特徴としている。この他、プロプライエタリの高電力伝送モードは、Qi規格が定めるより最大で60%高い電力を供給することが可能であり、同社のワイヤレス給電レシーバと組み合わせれば最高8Wの電力を伝送できる。
なお、パッケージは7mm角の56ピンVFQFN。現在、特定の顧客向けにサンプル出荷中。