STMicroelectronicsは1月15日、高速インターネット接続から、UltraHDマルチスクリーンビデオ処理、有線・無線ネットワーク経由のシームレスな住宅内接続まで、米国のケーブル市場で必要とされるすべての機能を提供するデジタルマルチメディアホーム向けハード/ソフトウェアプラットフォームを発表した。
STのDOCSIS 3.0認証取得済みのケーブルモデムIC「STiD12」ファミリ(コード名:Alicante)は、マルチメディアホームエンターテインメントおよび双方向ブロードバンドサービスのための高速ネットワーク接続を提供する。最大800Mbpsの高速なデータ転送レートにより、セットトップボックス(STB)やホームゲートウェイでは、ビデオとインターネットのデータサービスを単一ネットワーク経由での提供が可能になるとともに、複数のネットワーク機器の同時利用に対応できるようになる。DOCSIS 3.0認証取得済みICおよび関連ソフトウェアスタックは、オンデマンドおよびストリーミングコンテンツへのアクセスを加速させ、より多くの機器のインターネット接続を可能にする次世代インターネットプロトコルであるIPv6をサポートする。
また、最新のマルチメディアアプリケーションプロセッサである、クライアントボックス向けの「STiH3」ファミリ(コード名:Cannes)、およびサーバボックス向けの「STiH4」ファミリ(コード名:Monaco)は、最先端のUltraHD(2160p)までのデコードおよびディスプレイ解像度と、次世代ビデオ圧縮規格であるH.265/HEVCをサポートしている。この組み合わせは、高い臨場感と映像への没入感により、これまでにない視聴体験を提供する。
「STiH3/STiH4」ファミリのアーキテクチャは、高性能Dual ARM Cortex CPUをベースにしており、米国の主要なケーブルTV放送事業者が採用しているRDK向けのネイティブサポートを提供している。また、米国のケーブルTV市場で使用されているZodiac InteractiveのPowerUp DVB stack付きPowerUP HTML5 Platformなどのサードパーティ製ソフトウェアにも対応している。
STのプラットフォームは、住宅内において、有線・無線ネットワークを経由し、高解像度ビデオやコンテンツをGbit/s速度での配信を可能にする。MoCA 2.0規格に準拠した同社の「STiC2BB/PA」は、既存の同軸ケーブルを経由した高速でエラーのないデータ転送と、ホームマルチメディアネットワーク上のスリープおよびスタンバイの低消費電力モードに対応している。STのSTB用プラットフォームは、最新のWi-Fi規格(802.11ac)に対応しており、Over-the-Top、ペイTV(最大解像度:UltraHD)、ゲームを含む、帯域幅を多く使用するビデオコンテンツを、家庭内の複数のクライアントに対して迅速・確実に、同じ周波数帯域にてワイヤレスストリーミングを可能にする。
なお、今後2~3年間で、北米では毎年5000万台を超えるSTB、および約1700万台のDOCSIS 3.0対応CPE(Customer Premises Equipment)ユニットの出荷が予測されていると、同社では説明している。