今年度も、確定申告のシーズンが近づいて来た。個人であっても商売をしている以上、確定申告は必須だ。
確定申告には青色申告と白色申告があるが、個人事業主のおおよそ半々が青色申告と白色申告に分かれる。半数は最高65万円の青色申告特別控除が認められるという税制上のメリットがある青色申告を選ぶのに対して、半数は税制上のメリットが無い白色申告である。なぜ白色申告を選ぶのか。その理由は「記帳が不要(※所得金額300万円以下)」という点に尽きる。簡単にいえば、手間がかからないからだ。確かに、これまでは所得金額が300万円以下であれば、記帳義務も無かったので、その点もうなずける。
しかし、2014年1月からは、これまで年間の所得が300万円を超える人だけに課せられていた記帳・帳簿等の保存の義務が、所得があるすべての個人事業主に拡大される。事実上、白色申告でも青色申告と大差がない記帳作業を行わなければならないということだ。これは、これまできちんとした管理を行って来なかった個人事業主には大きな問題だ。
そこでオススメしたいのが、白色申告用のソフトやサービスを利用する方法だ。経理知識が必要な部分はソフトが代わりにやってくれるので、利用者は、日々発生する売上と仕入・経費の金額を入れておけば、かんたんに決算書や確定申告書が作成できる。同時に記帳・保存の義務も果たせるので、まさに一石二鳥のサービスだ。また、データは保存されているので、書類をなくしても、いつでも再作成できる。
確定申告はちゃちゃっと済ませたい
そこで、そんな白色申告に最適なサービスを1つ紹介しよう。それは、申告ソフトで多くのシェアを持つ弥生が2014年1月14日から提供を始めた「やよいの白色申告 オンライン」だ。このサービスは、なるべく簡単に確定申告を済ませたいという個人事業主の声を受けて開発されたもので、手間を最小限に決算書や申告書の作成を行えるのが特徴だ。
とにかくシンプル!
「やよいの白色申告 オンライン」で、最初に目を引くのはメニューの簡潔さだろう。メインメニューは「取引の入力」と「確定申告」しかない。日常使うことになる「取引の入力」には「売上の入力」、「仕入・経費の入力」のタブがあるだけだ。商売の基本となる、収入と支出だけという実にシンプルな構造だ。
「売上の入力」タブでは、日付と科目(取引の種類)、取引内容に取引先、金額を入れるだけ。「仕入・経費の入力」に関しても同様の項目が並ぶ。個人事業主の中には「簿記や経理の経験がない」という人も多いと思うが、これなら家計簿をつけている感覚で直感的に入力できる。また、多くの人がどれを使っていいのかわからないという科目に関しても、どういった取引がこの科目に該当するかの説明があるので、それを一読すれば理解できるはずだ。
基本的に日付や科目に合わせて金額を入れるだけで、日々の入力は進められる。年に一度の確定申告も基本的に「確定申告」メニューにある順番に従って進めるだけで作成可能だ。もし分かりづらい部分があっても、その対象個所に関する詳細なヘルプがその場で確認できるので作業の流れを止めることなく進めることができる。また、申告書の作成は質問形式で進むので、自分の入力が必要な項目だけが表示され、その人に関係のない項目は非表示になる。年に一度のことなので、何年やっても覚えられないという人でも安心だ。そのため、申告ソフトの入門版としてもオススメできる。
最終的に作成されたデータは、申告用紙の様式(確定申告書B)に合わせたPDFで作成される。あとは印刷して税務署へ提出すれば確定申告は完了する。また、収支内訳書の出力のほか、固定資産の原価償却の計算、家事按分といった機能も備わっている。
また、このサービスがブラウザを使って利用するクラウド型である点も大きなメリットだ。例えば、その日に出かけるような用事があっても、IDとパスワードがあれば外部からアクセスできるので、出張先のビジネスホテルでも入力できる。Mac OSもサポートし、ブラウザもInternet Explorer、Google Chrome、Mozilla Firefox、Safariに対応しているので、アクセスできる端末も幅広い。これまで多くの会計ソフトがMacユーザーを置き去りにしてきたが、クラウドを活用することで、その課題を解決したのもこのサービスの良い部分といえるだろう。
2014年12月までは無料で使える
「やよいの白色申告 オンライン」の気になる値段だが、年額4,500円(税別)と手頃だ。しかも、「無料トライアルキャンペーン」を実施中で(2014年9月までの申し込み)、2014年12月31日まで無料で使える。
毎年、確定申告の直前に1年分をまとめて集計し、その大変さから「来年こそは、申告ソフトで毎月少しずつやっていこう」と思う人は多いはず。であるなら、2014年いっぱい無料で使える「やよいの白色申告 オンライン」をお試しで使ってみるのはいかがだろうか。そして、慣れたところで、青色申告に移行すれば、最高65万円の特別控除を得られるのだ。税制改正がある2014年は、申告ソフトの利用を始めるには良いタイミングだといえるだろう。