日本HP HPサーバー事業統括本部 事業統括本部長 手島主税氏

1月9日、日本HPは2014年のサーバ事業の戦略を発表。この中で、日本HP HPサーバー事業統括本部 事業統括本部長 手島主税氏は、2015年に国内のサーバ出荷金額でNo.1を目指すと語った。

そして、同氏は、そのための戦略として、「製品事業の再編」、「専任体制の強化」、「パートナー連携強化」、「コミュニティの発足」、「製品力の強化」を行うとした。

国内のサーバ出荷金額でNo.1のための施策

「製品事業の再編」については、同社は昨年の11月1日付けで、すでにサーバ事業を再編。従来のフォールトトレラントサーバ製品事業、UNIXサーバ事業、x86サーバ事業の3つを、ワークロード特化型の基盤を推進する「ハイパースケールサーバ製品事業」、次世代のミッションクリティカル基盤の推進を行う「エンタープライズサーバ製品事業」、自動化の推進を行う「コアサーバ製品事業」の3つに再編した。 これにより、社内のコンフリクトを排除し、顧客ニーズ、利用形態に合わせた製品事業体制に刷新した。

「製品事業の再編」

「専任体制の強化」では、営業、ビジネス開発、マーケティング、技術支援などの分野でサーバ専任組織を設け、総勢200名規模の事業体制に再編した。

「専任体制の強化」

「コミュニティの発足」では、テクノロジーコミュニティーを発足させ、パートナーとの技術提携を強化していくという。

「コミュニティの発足」

そして「製品力の強化」では、ハイパースケールサーバ分野ではワークロード特化型システムを開発する「Project Moonshot」、エンタープライズサーバ分野でSDDC(Software Defined DetaCenter)によるクラウド統合/自動運用を実現する「Project Odyssey」、コアサーバ分野では、x86技術のミッションクリティカル分野での適用拡大を図る「Project Voyager」において、新たな製品を提供していく。

「製品力の強化」のための3つのプロジェクト

「Project Moonshot」では、同日、「HP Moonshot System」のラインアップを拡充し「HP ProLiant m700 サーバーカートリッジ」と、「HP ProLiant m300 サーバーカートリッジ」を発表。今後は「HP Moonshot System」のラインナップを拡充し、今年前半にはスモールスタート可能な販売形態や、在庫可能なBTOモデルのリリースも予定している。

Workload Optimized戦略

「Project Odyssey」では、メール、データベース、社会インフラ、公共分野でのビッグデータシステムなど、これまでUNIXが多く使われていた領域における、x86サーバ技術を利用したWindows・Linuxのミッションクリティカルシステムの開発を行っていく。

日本HP HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏

日本HP HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏は、「メールなど、これまで情報系と呼ばれていたシステムもミッションクリティカルなシステムになりつつあり、提供範囲が広がりつつある」と語った。

同氏によれば、年内にも大容量メモリと多CPU環境を提供するコードネーム「DragonHawk」と呼ばれるx86サーバや、ISV連携拡大施策として「DragonHawk」for SAP HANA」をリリースする予定だという。

「DragonHawk」

そして、「Project Voyager」では、これまで管理対象をサーバに限定していたインフラ全体を単一で統合管理するツール「HP OneView」の適用範囲を、年内に3PARストレージやネットワーク製品にも拡大する予定で、今後はOpenStack技術をベースにした統合制御基盤「HP Cloud OS」を提供し、適用範囲をオンプレミスとクラウドのハイブリッドにも対応する。また、近いうちに、データセンター内のサーバの状態をリモートで管理できるクラウドポータルサービス「HP Insight Online」で、中継サーバなしでiLOサーバ内蔵管理チップの情報をダイレクトに参照できるようになるという。

SDDC実現に向けて

手島氏は、「HPは今後コアテクノロジーの変革に特化していく。サーバ事業では、ボリューム領域、ミッションクリティカルの領域を大きく変革していかなくてはならない。(モビリティ、クラウド、ソーシャル、ビッグデータという)新しいメガトレンドに対してHPとして何を提供していくかが重要だ。2015年に向け、サーバ市場で強いリーダーシップを発揮し、サーバ技術を再定義していくベンダーになっていく」と述べた。