フランスのプライバシー監視当局La Commission Nationale de l'Informatique et des Libertès(CNIL : 情報処理と自由に関する国家委員会)は1月8日(現地時間)、Googleに対して罰金15万ドルを科したことを明らかにした。Googleが2012年3月に行ったプライバシーポリシーの変更は自国のデータ保護法に違反している、という判断に基づくもの。
Googleは2012年に導入したプライバシーポリシーで、これまで各サービス単位で収集していた個人情報を統合し、縦断的に収集する方向に変更した。
この変更については、欧州連合(EU)加盟国を代表するデータ保護指令第29条作業部会(Article 29 Working Party;G28)が調査した結果、欧州のプライバシー法フレームワークに準じないとする結論を出している。その後、フランスを含む6カ国が個別にGoogleに対して是正を求めており、2013年12月にはスペインのデータ保護局AEPDが90万ユーロの罰金命令を出している。
CNILは「どの情報を保持するのかなどユーザーへの情報提供が不十分」「事前にユーザーの承諾を得るという義務を遂行していない」「保有するデータの保持期間を明確にしていない」「各サービスから収集するデータを統合する」などの点で、Googleは自国のフランスデータ保護法に違反していると説明している。これにより1月3日、罰金を15万ユーロと定めたという。
罰金支払いに加え、Googleに対し8日以内に自社Webサイト上にこの判断をユーザーに知らせる告知を48時間行うように求めてもいる。CNILによると、新ポリシーではGoogle検索のほか、Gmail、YouTube、Google Mapsなどの同社サービスが対象となり、「フランスのほぼ全てのインターネットユーザーがGoogleの新ポリシー変更による影響を受ける」と述べている。
Reutersによると、Googleは自社のプライバシーポリシーは「欧州の法律を尊重している」と述べているという。