キヤノンは1月8日、同社の玉川事業所の試験施設が、「培養細胞を用いる小核実験」について化学物質の審査および製造等の規制に関する法律(化審法)のGLP適合施設認証を、国内で初めて厚生労働省より取得したことを発表した。
小核試験は、ある化学物質が発がんの要因となる染色体異常を起こす性質があるかどうかを調べ、その発がん性を予測する試験で、従来の染色体異常試験と比べ、試験時間が短縮されるため効率的であると同時に、培養したヒトの細胞を用いることが容易であるため、ヒトに対する発がん性予測の向上に寄与することが期待されている。また、2010年7月に経済協力開発機構(OECD)によりテストガイドライン化され、国際的な標準試験としても認められている。
同社は、これまでインク、トナー、部材をはじめとする自社で取り扱う化学物質の安全確保に取り組んできており、今回の培養細胞を用いる小核試験も、その一環として2002年より社内導入を進めてきたという。
今回の認証取得により、同施設における試験結果が、化審法GLPに則った公平かつ公正なものとして認められたものであることが示されることとなった。
なお、同社では今後も自社製品の高い品質、安全性の確保に努めていく方針としている。