EMCジャパンは1月6日、米EMCのエグゼクティブ バイス プレジデント 兼 RSA会長を務めるアート・コビエロ氏が予測する2014年のセキュリティ動向を発表した。
同予測では、2014年の重要なトレンドは次の5点が挙げられるという。
BYODは2013年まで。新たなトレンドはBYOI
IDの管理を第三者に任せることが減り、自分のデバイスを肌身離さず持つように、個人がIDをしっかりと管理するようになるはずだとコビエロ氏は予測。2014年は、「私物IDの業務利用(と管理)」(Bring Your Own Identity:BYOI)の夜明けとなるとしている。
内部不正脅威の再来
20企業は社内の脅威にさらに注意を払うようになり、「収益」や「ブランド」、そして「事業継続」に対する甚大な被害のリスクから、自社を守るための手段を講じることになると予測している。
未来はクラウドの中に
パブリック・クラウドは、この数年で一定のワークロードに関しては、ある程度勢いを得ている。その一方で、NSAの機密漏えいと、これらのクラウドのセキュリティに関する懸念によって、その勢いを削がれる可能性がある。
パブリック・クラウドのプロバイダーは、自社が運営するクラウドのセキュリティに積極的に対処することで、競争における差別化要因になるとコビエロ氏は予測。このため、クラウド・セキュリティのプロバイダーにとっては、2014年が当たり年になると分析している。
2014年はモバイル・マルウェアの転換期
重要なビジネス・アプリケーションや機密データにモバイル・デバイスからのアクセスを許可する企業が増える。さらには、消費者の間でモバイル・バンキングの普及が進む中、2014年にモバイル・マルウェアの高度化と拡散が急速に進む可能性が高いという。
モノのインターネット
今後ハッキングの標的となるのは、PCでもなければモバイル・デバイスですらなく、「モノのインターネット(The Internet of Things)」。
つまり、現実世界のシステムを感知しコントロールするデバイスのネットワークが狙われると予測。自動車をはじめ医療機器やスマート・グリッドに至るまで、モノのインターネットへの攻撃が増大し、手口も巧妙になるとしている。