2014年の年頭にあたり、株式会社インターネットイニシアティブ 代表取締役社長 勝栄二郎氏は、以下の年頭所感を発表した。
新年明けましておめでとうございます。
今、ITやインターネットを巡る環境は大きく変わりつつあります。
コンピュータが世の中に現れたのは1940年代後半、今や70年が過ぎようとしています。大きなイノベーションが起きた後、それが様々な形で活用され、社会を変えていくまでには60年から100年の月日が必要と言われています。例えば、十字軍によるイスラム侵攻やオスマントルコによる東ローマ帝国の崩壊を契機とした文化の融合がルネサンスの時代に繋がりますが、その歴史の流れの中で、1445年にグーテンベルクが活版印刷を発明します。その技術がマルティン・ルターによって活用され、ドイツ語訳の聖書が広まり、宗教改革を起こしたのは1517年でした。
また、フランスに対抗するための植民地政策により富が集中したイギリスでは18世紀に水力紡績機や蒸気機関が発明され、産業革命が起こりましたが、その後に船舶や鉄道などに応用され、それらが普及するまでには、やはり70年の歳月を必要としました。これらの事例と同じことがITやインターネットの世界にも当てはまります。これから益々多様な進化が起こり、あらゆる分野で革新的な活用方法が見出されていくことでしょう。
実際に、末端のスマートデバイスの世界的な普及とクラウドやビッグデータの利活用が結びつくことにより、各分野において大きな変化がみられます。それは生活に密着するe-コマースや医療に限らず、ナノテクノロジーや遺伝子工学、ロボット工学など最先端の技術分野においても同じです。
IIJもこの大きな流れの中で、従来通りお客様のニーズに合った高品質なサービスを提供し続けると同時に、クラウド、SDN、コンテナ型データセンター、モバイル、ネットワークをはじめとする分野で、新たなイノベーションを促進させていきます。そして、今後も大きく国内外の事業展開を図るとともに、これによって日本の経済社会の発展に貢献していく所存です。