2014年の年頭にあたり、ヤフー株式会社 代表取締役社長 宮坂 学氏は、「年頭の社員へのメッセージ」として以下の年頭所感を発表した。

あけましておめでとうございます。

昨年2013年は、年頭に「!なサービスを創る」ことをぶちあげて始めましたが、結果、社会に対して多くの「!」な軌跡を残せた1年だったと思います。

先ずなにより、「eコマース革命」を宣言し、ストア申込が8万件を突破しました。これまで14年かけて2万件しか出店社数がなかった事から考えると、すごいインパクトでした。

次に、MSCのソリューション宣言。広告ビジネスからデータビジネスへの提唱は、業界を想像以上に揺るがしたと思います。間違いなく今年のネット広告業界の中心になるでしょう。

そして、東北を大いに盛りあげた「ツール・ド・東北」。出走申込受付後、わずか14分で完売。1,316名のライダーが元気に三陸の海岸線に飛び出しました。主催者、参加者、地元が三位一体となって大会を盛りあげ、多くの感動を残せた事は、今後10年の発展を大いに期待させるものでした。

こうした結果、肝心の収益面でも4半期連続二桁成長を達成し、世界のインターネットサービス企業時価総額ランキングも8位、経済波及効果は1.6兆円、雇用誘発効果は9万人を生み出す力をもつ会社になりました。

さて、2014年も引き続き「!」なサービスを生み出すことに取り組みたいと思います。どうせサービスをつくるならば、クリエイターとして、これは自分の代表作品だ、と一点の曇りなく言えるものをつくろう。友達や親や子供に「これは俺がつくったんだぜ」と自慢できるサービスをやろう。ユーザーファーストにやってるかどうかをジャッジするのは、他人ではなく実はつくってる人が胸に手をあてて自問自答することです。ぜひ「!」なサービスを生み出そう。

で、「!」とは何か?

「!」には二つのやり方があり、0→1は天才的ひらめきによる発明。もう一つは1→10、これは秀才的努力によるイノベーションです。前者はトライしてもなかなか難しいかもしれませんが、後者は努力次第で可能ですよね。

10倍速い、10倍安い、10倍多い、10倍大きい、10倍簡単、10倍使いやすい…。おのおのが最適な10倍の中身を考え、サービスに10倍の変化をおこしましょう。スタッフ部門もいまよりも10倍社内へのサービス品質をあげる、とかプロセスを1/10にするとか挑戦してみてください。

10%改善は世の中にありふれてますが、10倍の変化はその存在そのものが事件です。普段使う事の少ない10倍の思考回路を使い、10倍の変化をおこそう。