日本語入力ソフト「Simeji」を提供するバイドゥは12月26日、同社が利用者に無断でログ情報などを送信しているとされる問題に対する見解を発表した。

同社によると、報道を受けて社内調査を行った結果、Android向けのSimejiアプリはログセッションのデータ送信をオフにしていた場合でも一部のログデータを送信していた事実を確認したという。

ログセッションは、変換精度の向上を目的として同社は活用しているが、今年3月にリリースしたバージョン5.6から実装上の"バグ"によって、許諾を得ていないユーザーのデータも送信していたという。

バイドゥでは、26日中にも改善した最新バージョンを緊急リリースする予定。

ログ情報は承諾を得たユーザーのみ送信

同社によると「Baidu IME」と「Simeji」は、ユーザーが入力した情報は原則として「バイドゥ サービス利用規約」内のプライバシーポリシーに沿って取り扱っているという。

ユーザーの入力情報をバイドゥのサーバーに送信する場合はログ情報送信の許諾を取っており、許諾が得られないユーザーについてはログ情報の取得は行っていないとしている。

また、クレジットカード番号やパスワードといった信用情報、住所や電話番号などの個人情報についてはログ情報として収集しない仕様だと同社は説明。両製品に関わるサーバー設備とデータについても、国内で管理しているという。

今回問題となっている送信情報は、先の説明で触れた「ログセッション」と、入力内容をクラウド辞書サーバーに送信してリアルタイムで変換結果を返す「クラウド変換」の2点。

クラウド変換については、入力内容は送信するものの、データは保存されず、変換候補を返すだけだという。

バイドゥがサーバーに送信しているデータ。ユーザーが機能のオンオフをすることで、送信の有無を制御できる

なお、PC向け日本語入力ソフト「Baidu IME」についてはログ送信の事実について詳細な説明が得られていないため、追って更新する。