Infineon Technologiesは、次世代センサとして、回転方向と速度を検出する垂直デュアルホールセンサ「TLE4966V」を発表した。

同製品は、内蔵されたホールプレートの方向を水平から垂直に変更したことにより面内方向の磁場に対する感度を高めたほか、スペースの制約にも対応する柔軟な設計を可能としたもので、4mA~7mAの消費電流でトランク用昇降装置、パワーウィンドウ、サンルーフ、シート調節機能などの自動車用電子システムに対応が可能となっているほか、エスカレーター、窓用の電動ブラインド、電動カーテンなどにも適しているという。

また、回転方向と速度を検出する2枚のホールプレートは、チップ内の1個のシリコンダイに垂直方向に組み込まれ、温度と耐用期間ストレスに対して同一の挙動を示し、耐用期間中に感度が変化することがないという特徴を持つ。また、チップからは磁場回転方向とポールホイール回転速度の2つの信号が送出されるため、従来は2個のセンサが必要とされた用途でも、必要なすべての情報が1個のセンサから得ることが可能となる。そのため、2個目のセンサが不要となり、センサによるコストを平均30%削減できるほか、検査と製造に必要な期間も最大50%短縮することができるようになるという。

さらに、チップ上で信号処理を行うため、システム設計者には高速性が必要とされる用途での迅速なセンサ信号取得、マイクロコントローラのプログラムが不要、およびプログラミングのミスがなくなることに伴うシステム品質向上の3つのメリットが得られるという。

なお、同製品のエンジニアサンプルの提供はすでに開始しており、量産出荷は2014年7月からが予定されているという。

回転方向と速度を検出する垂直デュアルホールセンサ「TLE4966V」のパッケージ外観