イスラエルTowerJazzとパナソニックは12月20日、半導体製造を手掛ける合弁会社を設立し、パナソニックが保有する国内の半導体前工程工場(新井、魚津、砺波)を活用してパナソニック向け製品ならびにTowerJazzの顧客向けビジネスを行っていく契約を締結したことを発表した。

同合弁会社は、パナソニックから当該3工場の200mmウェハおよび300mmウェハ向け製造プロセスならびに製造装置を譲り受け、今後少なくとも5年間にわたるTowerJazzとパナソニックとのパートナーシップに基づき、両社に量産製品を提供することとなる。

これによりTowerJazzは3工場合計で200mmウェハ換算で年間80万枚の生産能力を得ることが可能となるほか、パナソニックが保有していたMOSイメージセンサ技術「SmartFSI」などの特殊プロセスや高電圧SOI技術なども提供することが可能となる。特に高電圧SOI技術についてTowerJazzでは、現在のBCDプロセスに適用させることで、現行の80Vから190Vまで引き上げることが可能となり、これにより従来困難だった次世代ディスプレイ用ドライバや産業・医療市場への参入を可能とするとしている。

なお、TowerJazzは合弁会社の51%の株式を保有することを目的に、評価額約800万ドルの普通株式をパナソニックに発行する予定だという。また、TowerJazzは、2011年にMicron Technologyの西脇工場も入手しており、今後、合弁会社の工場と西脇工場の統合も含め、日本での事業の合理化を進める計画としており、西脇工場への投資の可能性も検討しているという。