富士通や富士通コンピュータテクノロジーズ、情報通信研究機構(NICT)、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)は12月11日、IPv6ネットワークで構成されるデータセンターにて、同じIPv4アドレスを異なる機器に割り当てる(共有)ことを可能とするソリューション技術の大規模実証実験に成功したと発表した。
同実証実験は、富士通が開発したIPv6ネットワーク上でIPv4アドレスの共有を可能とする技術「SA46T-AS」を、NICTの大規模ネットワークテストベッド「StarBED」上にて動作させることに成功したもの。「StarBED」上で「SA46T-AS」を組み込んだ仮想サーバにおいても、手動による操作および個別の設定をなくし、自動的に大規模展開されたことを確認した。
具体的には、1物理サーバあたり128仮想サーバを動かし、12台の物理サーバを用いた合計1536台の仮想サーバの大規模展開を行った結果、基本動作の安定稼働、規模追従性の実証などを確認し、十分実用性があることを実証した。
同実証実験における各企業の役割として、富士通は「SA46T-AS」技術の開発および本実証実験の実施主体、富士通コンピュータテクノロジーズは大規模展開技術の開発と実証実験、NICTは「StarBED」環境の提供および大規模仮想化技術に関するアドバイザリ、JAISTは同件における大規模実証実験全般に関するアドバイザリとなっている。
富士通では、今回の大規模ネットワーク上での実証実験の成功を通じ、「SA46T-AS」の実用性を実証することができ、これにより、IPv4アドレスについて、これまでは機器ごとに一つずつ割り当てられていたIPv4アドレスを複数機器で共有することができ、IPv4の継続利用と増設が可能になるとしている。