Texas Instruments(TI)は、産業用リアルタイム制御向けマイコン「C2000」ファミリに、新たに「Delfino」製品シリーズとして32ビットマイコン「F2837xD」を追加したことを発表した。
同製品シリーズは、デュアルコアの「C28xプロセッサ」と2個のリアルタイム制御アクセラレータ「CLA(制御補償器アクセラレータ)」を統合し、浮動小数点演算で800MIPSの性能を提供する。また複数の組込用プロセッサを1個のマイコン製品に統合することで、高性能サーボ・ドライブ、集中型ソーラー・インバータ、産業用UPS(無停電電源)など、リアルタイムな信号解析を必要とするアプリケーションなどでの、設計の複雑さを緩和することが可能になるという。
さらに、統合されたアナログ・ペリフェラル群を活用することで、精密な微調制御および複数のフィードバック信号入力の同時モニタが可能になるという。例えば、4個の独立した16ビットの解像度を持つA/Dコンバータにより、複数のアナログ信号を高精度かつ高効率に取扱えるため、三相モーター製品をはじめとした各種アプリケーションに対しに、システム全体で高い処理能力を提供することを可能とするほか、パワー・ステージ保護を目的とした安全設計として、ウィンドウ・コンパレータによる異常検出で、モーターの安全なシャットダウンを実現したり、複数のΔΣ型デモジュレータ機能によって、絶縁型コンバータとの直接接続が可能なインタフェースの実現などが可能となる。
なお同製品は、すでにサンプル出荷を開始しており、1000個受注時の単価(参考価格)は18ドルから、となっている。