米IBMは12月6日(現地時間)、複数のクラウドに、機密と安全性を保ったままデータを動的に移行するためのシンプルなインタフェースを提供する新しいクラウド・ストレージ用ソフトウェアを開発したと発表した。
本発明は特許出願中で、複数の異なるクラウド上にデータをシームレスに保存、移動する手法を用いてデータの復元力、セキュリティー、サービスの継続性に関する懸念を克服するもの。この手法は、いかなる単一クラウドよりもサービス停止やデータ損失からより強力に保護するため、個々のクラウドのレジリエンス(復元力)を利用する「cloud-of-clouds(複数のクラウドが連携したクラウド)」というアプローチを採用。
また、データ移行、バックアップ、あるいはファイル共有に用いられるサードパーティー提供のプライベートやパブリック・クラウドにストレージ・システムがアクセスし、使用することを可能にするソフトウェア・ツールキットを開発した。
具体的には、特定のベンダーに依存することなく、顧客が選択するクラウドにファイルをドラッグ・アンド・ドロップでバックアップする、あるいは共有することを可能にする「オブジェクト・ストレージ」インタフェースを使用。
この技術は、オブジェクト・ストレージにデータを重複して保存する際のスペース効率、データ同期、メタデータによる情報連携に明確に対応するもので、クラウドに障害が起きると、バックアップ・クラウドが即座に、透過的にユーザーに対応し、データの可用性を確保、冗長性と耐故障性を追加する斬新なアプローチをとることで、クラウド・クライアント間での同期やコミュニケーションは不要になる。
さらにツールキットとSoftLayer(ストレージ・プロバイダー)の組み合わせにより、遠隔のパブリック・クラウドからオンプレミスのプライベート・クラウドに簡単にデータ移行し、ストレージ管理全体を効率化することができるため、ユーザーはクラウド・ストレージ容量の限界を克服することが可能になる。