電通総研は12月10日、話題・注目商品の調査を通じて時代の気分や消費の深層トレンドを分析する「消費者が選ぶ2013年の話題・注目商品ランキング」を発表した。
2013年は「アベノミクス」で始まり、株価の伸びで世界の注目を集め、6月の富士山の世界文化遺産登録、9月の2020年東京オリンピック・パラリンピック招致など、"現実が期待を超えた年"だったという。今回のランキングも、それを反映した結果となった。
「消費者が選ぶ2013年の話題・注目商品ランキング」は、事前調査などで抽出した約100の商品・サービスについて、全国の20~69歳の男女を対象にインターネットによるアンケート調査を行い、「認知度」「注目度」「話題度」の3つの視点で集計・分析した結果である。
2013年のランキングの特徴は、上位では数年来の人気商品がさらに進化し、幅広い世代や地域で人気を高めたものが目立った。
また、「車の衝突防止支援システム」や「3Dプリンター」などの今後の発展可能性を感じさせるものや、「コンビニの本格コーヒー」「生麺タイプの即席袋麺」といった手軽に利用できるのに品質が本格的なものが数多くランクインした。
商品とは別の集計で、「消費者が選ぶ時事・世相ランキング」も集計されている。地方発で話題を集めたもの「東北楽天ゴールデンイーグルスの優勝と田中将大投手の活躍」や「あまちゃん」のほか、日本の魅力を再発見させてくれた「富士山世界文化遺産登録」や「式年遷宮」などが上位にランクインした。
電通総研によれば、バブル経済の崩壊以降、アジア金融危機、リーマンショック、東日本大震災という大変動を経験し、守りの姿勢からなかなか抜け出せなかった消費者が、アベノミクスによる好況感や2020年東京オリンピック・パラリンピック招致などに励まされて、攻めの姿勢を見せ始めた。
こうした攻めの姿勢は、3Dプリンターやウェアラブルコンピューターなど、これからさらに生活に入り込んできそうな技術革新を歓迎しているという。
また、ワンランク上のプレミアム商品への志向を強め、その結果、日本社会の停滞感がやわらぎ、消費者が抱いていた“未来"のイメージがようやく動き始めたという感覚を持てるようになったとしている。
同社は、こうした社会の前向きな意識の流れを受けて、2014年の消費キーワードを「動き始めた未来~真21世紀元年~」とした。