IDC Japanは、12月10日に国内産業分野別IT市場における2013年上半期の分析と2013年から2017年の市場規模予測について発表した。
これによると、2013年は、景気の回復によって企業の業績が改善し、通信/メディア、消費者以外の全産業(官公庁、教育含む)のIT支出はプラス成長、組立製造(前年比成長率:2.1%、市場規模1兆3,902億円)、プロセス製造(同:2.6%、7,381億円)といった製造業では、円安の影響により輸出が大きい企業で業績が回復し、IT支出において堅調な成長を示すとみている。さらに情報サービス業(同:3.6%、7,927億円)は、スマートフォンやタブレット&eReaderの市場拡大の影響でインターネットビジネス向けインフラの拡充が進みIT支出が伸びるとみている。
一方、通信/メディア(同:マイナス4.8%、市場規模1兆9,722億円)は、通信事業者におけるLTEサービス向けの無線インフラストラクチャの整備が2012年に前倒しされたため、2012年がピークで2013年はマイナス成長となっている。
また、消費者(同:マイナス3.8%、2兆4,718億円)は、タブレット&eReaderやスマートフォンとの競合によって、消費者向けPC市場が縮小傾向にあるなど成長が鈍化、これらの影響で、国内IT市場全体の前年比成長率は0.1%(2013年市場規模13兆8,288億円)と予測。2012年~2017年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は0.2%、2017年の市場規模を13兆9,690億円と予測している。
なお、同社が提唱する、クラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャル技術の4要素で構成される第3のプラットフォームに関するユーザー企業の今後の導入意向は、半年前の導入意向の結果とほとんど変化が無く、セキュリティやサーバー仮想化へのIT支出が優先されている構造となっている。
「第3のプラットフォームの提供を推進するにはユーザー企業の意識を変えることが必要、ITベンダーは、第3のプラットフォームが企業の経営に変革をもたらすことを説くべき」と同社では分析している。