上に立つ立場になると、良い意味で「好かれる」ことが大切だ。メンバーの成果はあなたの成果。プロジェクトなりチームを率いるにあたって、メンバーから支持を受けることは不可欠だが、支持を受けるためには努力や気配りが必要かもしれない。自分ではちゃんとやっているつもりなのに、「ひょっとして嫌われてる?」と感じる場合、冷静に自己分析してみてはいかがだろう。

嫌われない上司になるポイントを、Forbesが「あなたはなぜ従業員に嫌われるのか(原題:Why Your Employees Hate You)」という記事でまとめている。

記事ではまず、「知識不足だったり鈍いタイプだとほぼ間違いなく嫌われる」と警告する。

だが、どちらにも当てはまらないという場合でも、嫌われることがあるという。例えば「意思決定が上手ではない」といった具合だ。

部下はあなたからの指示を待っているし、方向性がわからずには何もできない。記事によると、意思決定が上手ではない人は「混乱した状態」であることが多い。自分が混乱した状態の上司になっていないか、マクロとミクロの両面でチェックする必要があるという。

マクロ的視点

マクロ的な視点では、大きな構想図をしっかり部下に対して示しているか考える必要がある。そもそも、自分の中でそれを描けているのかについてもチェックしたい。

「チームや部門、プロジェクトの目標は何か」や「年次、四半期単位での目標は何か」「部下に何を、どのように、いつまでに達成してもらうつもりなのか」など、全てをキッチリと整理しておきたい。

もちろん、あなたにも上司がいるだろう。問題はあなたの上司であり、そこがハッキリしないために自分も目標が立てられないといったケースがあるかもしれない。それでも、部下にとっての司令塔はあなた。自分と上司の間に抱える問題を自分の部下に影響させないように努めたいものだ。

ミクロ的視点

次にミクロ的な視点で考えてみよう。日々の決断では、細かな判断を求める部下に対し、どう答えているだろうか。「うーん、どうだろう?」といった返答ならまだしも、「分からない」という返答ではNGだ。

だが、これよりももっと悪いケースが「指示がころころ変わる人」だという。

昨日は「絶対にプランA」と言っていたのに、今日になると「やっぱりBでいこう」に変わったというケースに、身に覚えはないだろうか。翻弄されると、人はその人を信頼しなくなる。やむを得ずに計画を変更することはあるし、上からの指示で方針を変えなければならないことも多々あるだろう。しかし、あなたが熟考することなく、長期的な視野を持たずに答えたために、指示した内容がコロコロ変わることは良くない。部下に見抜かれている可能性が高いはずだ。

記事の中では、ミクロでの混乱は、「恐れ」が原因にあることが多いと指摘している。仕事や私生活における不安や懸念が、意思決定の邪魔となっており、先を見通すことが難しくなっているという。思い当たることがあるのであれば、対策を立てた方が良いだろう。

これらのまとめでは「長期的な目標を理解し、達成に向けた計画を立てる」「プロジェクトを進めるにあたって、よく考えた上で方向性を決定し、一度決めた計画はできるだけ固守する」という2つの結論を導き出している。