のれん 代表取締役社長に就任する勝田誠氏

アシストは12月10日、同社が2002年より提供してきたCMS「NOREN」の提供に特化した子会社として「株式会社のれん」を設立すると発表した。設立日は2014年1月24日。同日にCMSの新版「NOREN6」のリリースと、新会社披露イベントの開催も予定している。

新会社の代表取締役社長にはアシストの取締役である勝田誠氏が就任。資本金は3000万円で、アシストが100%出資する。

新会社のれん、中小規模サイトも対象に売上10億円を目指す

事業内容は以下のとおり。

のれんの事業概要

設立当初の従業員数は30人の予定。マーケティング部門と技術部門のみの構成で、バックオフィスにはアシストのリソースを活用する。なお、のれんのオフィスは、アシストの中に構える。

アシスト 情報基盤事業部 営業3部 部長の根津豊氏

新会社の販売戦略を紹介したアシスト 情報基盤事業部 営業3部 部長の根津豊氏は、現在、国内大手企業500社以上に採用されているNORENの販売対象を、今後は中規模サイト、小規模サイトにまで広げると説明。Webページ数に応じたライセンス体系を採用することで、大規模サイトの運用にも必要な機能や信頼性を備えつつ、中規模サイト、小規模サイトでも利用してもらえるような価格体系に変更する予定であることを明かした。

また、根津氏は製品提供の基本方針も紹介。具体的な項目として以下の4点を挙げる。

  • ユーザーの声を最大限活かした製品・サービスの提供
  • パートナーの強みを活かしたソリューションの開発
  • パートナー経由特定ライセンスの提供
  • メーカーの柔軟性を活かしたサービスの提供

特に強調したのがパートナーとの連携と製品開発の柔軟性だ。

パートナー施策に関しては、「これまでのNOREN導入案件の89%でWebサイト構築会社による開発が入っている」(根津氏)ことを明かし、パートナーにとっても収益性の高いビジネスであることを紹介。大中小それぞれの市場でユーザー企業のニーズに合ったソリューションをパートナーとともに提供していくことを説明した。

韓国I-ON COMMUNICATIONS 代表取締役社長のオ ヂェチョル氏

また、開発の柔軟性に関しては、これまでもユーザーの要望に合わせて製品を進化させてきたことに触れたうえで、開発元の韓国I-ON COMMUNICATIONSと協力し、安定性を確保しつつ製品リリースを迅速に進めていくと宣言。I-ON COMMUNICATIONS 代表取締役社長のオ ヂェチョル氏も「日本の中で最も速く進化するCMSを目指す」と意気込みを語った。

のれんは事業目標として、2016年度末に売上げ10億円という数字を掲げる。同時にCMS市場における売上No.1、顧客満足度No.1も挙げており、勝田氏は「売って終わりではなく、アシスト同様、製品を進化させ、サポートも充実させていく」と経営方針を語った。

NOREN6は、コンテンツ管理プラットフォームへ

発表会では、設立同時にリリース予定のNOREN6の概要についても紹介された。

説明を担当したアシスト 情報基盤事業部 NOREN推進1課 課長の八木康介氏は、「当社ではこれまでNORENをコンテンツ管理システムと呼んでいたが、新版ではコンテンツ管理プラットフォームへと進化させている」と語り、100の新機能が搭載されることを解説した。

数ある新機能のうち、コンテンツ管理プラットフォームと名乗る根拠として紹介されたのが入出力データソースの多様化である。入力データに関しては、手作業でのWebページ作成のみならず、データベースやXML、CSVなどのデータを取り込むことが可能になった。これにより、「Webページの一部でリアルタイムに集計したデータを表示するといったことも容易に実現できる」と説明。さらに出力に関しても、HTMLのみならず、XML、データベース、CSVなどに対応し「例えば、デジタルサイネージやキオスク端末などで活用するデータも出力できる」と紹介。単なるWebページを管理するシステムではなく、さまざまな入出力システムに対応したコンテンツ管理の基盤として機能することを改めて強調した。

NOREN6の概念図

そのほか、八木氏はNOREN6の新機能として、公開用Webサイトのみならずコンテンツ作成環境もスマートフォンに対応し、外出先からでもWebサイトの更新が行えることや、分散処理に対応し、負荷や処理内容に応じてサーバを切り出せることなども説明した。

NOREN6のコンテンツ作成画面

NOREN6ではiPhone向けのコンテンツ作成画面も用意される

NOREN6の稼働OSは、Windows、Linux、UNIX。144万円(レンタル版)~の提供が予定されている。