日立製作所は12月10日、同社のシンクライアントシステムが、損害保険ジャパンの本社・営業店の約15,000ユーザーが利用する仮想デスクトップ環境に採用され、本格的に稼働を開始したと発表した。

損保ジャパンは、2014年9月に関係当局の認可などを前提に予定している日本興亜損害保険との合併による新会社のITインフラとして、今後、同社の本社・営業店システムのPC約10,000台にも本システムを導入予定で、さらに、新会社の損害調査PC約13,000台にも仮想アプリケーション環境を導入し、最大で約38,000ユーザーまで拡張する予定。

今回稼働したシステムには、シンクライアント端末に日立のモバイル型シンクライアント15,000台、デスクトップ環境を集約したセンター側にブレードサーバ400台、ストレージ装置などを採用。

システムの概要図

仮想デスクトップの採用により、全ユーザーに統一したクライアント環境を提供。システムは、契約者情報などを端末側に保管しない仕組みのため、情報漏えいリスクを低減することができ、端末にはモバイル型シンクライアントを採用しているため、全国の営業担当者などは、外出先や自宅、移動時など、時間や場所に縛られずにセキュアな環境での業務が可能となる。

また、損保ジャパンでは、大規模な自然災害などが発生した場合でも、顧客への保険金支払いなどの重要業務・サービス提供を継続し、平時の業務態勢への早期復旧を実現できるよう、関東と関西の両データセンターに、全ユーザーの同時利用に耐えうるキャパシティを持ったシステムを構築した。そして、被災地区の営業拠点での業務継続が困難な場合には、被災していない周辺地区の営業拠点にて代替対応するが、今回、デスクトップ環境がデータセンターに集約されたことで、別の拠点での業務継続が、よりスムーズに実施できる。

さらに、大規模な感染症の流行(パンデミック)時においても、モバイル型シンクライアントを活用した在宅勤務などにより業務の継続が可能だという。