IDC Japanは12月9日、国内製品別サポートサービス市場予測を発表した。

国内サポートサービス市場 支出額予測(2011年から2017年) 資料:IDC Japan

これによるとITハードウェア製品のサポートサービス市場は、製品分野を問わず縮小していく一方、サポート対象であるソフトウェア市場が今後も拡大する見込みのソフトウェアサポート市場は、低率ながらも堅調に成長していくものと予測。

国内IT市場は、国内経済の低成長、製品価格の低下、パブリッククラウドやデータセンターサービスなど利用型ソリューションの拡大といった構造変化などにより、2017年までほぼ横ばいで推移するとIDCでは予測。特にハードウェア製品は、サーバー、ネットワーク機器を中心にマイナス成長となる見込み。

この、ハードウェア製品そのものの市場縮小と、製品販売先のエンドユーザー企業からデータセンター等の事業者へのシフトといった影響を受け、国内ハードウェアサポート市場の2012年から2017年の年間平均成長率(Compound Annual Growth Rate:CAGR)はマイナス4.8%で推移すると予測。この結果、2012年には3,965億円であった支出額規模は、2017年には3,100億円になる見込み。製品分野別にみると、メインフレームやRISC/IA64サーバー向けのサポートサービスがCAGRで10%を超すペースで縮小する一方、x86サーバー、ストレージ、ネットワーク機器などは比較的小さな縮小幅になるとみられる。

一方、ソフトウェアサポート市場は、市場の拡大に伴ってプラス成長が見込まれ、2012年から2017年にかけてCAGR1.7%で推移し、2017年の同市場規模は4,907億円になるものと予測している。ソフトウェアサポート市場も、ハードウェアサポート市場同様、製品の販売先変化に見舞われるものの、それ以上に製品市場の拡大が見込まれるため、プラス成長となり、特に、アプリケーション開発/デプロイメントソフトウェアに向けたサポートサービスが高い成長を遂げるものとみられる。

国内サポートサービス市場は、製品のコモディティ化、クラウドやアウトソーシングの影響、製品の販売先としてのサービス事業者の台頭とエンドユーザー企業によるサポートサービスへの支出減といったさまざまな構造的な課題に見舞われている。

IDC Japanは「サービスベンダー各社は、チャネルと連携した特色あるサポートサービスの開発、他業種のプレイヤーと連携した非IT製品も含めた包括的なサポートサービスの提供などにより、差別化を図っていく必要がある」と述べている。