トレジャーデータは9日、同社が提供するビッグデータ分析サービスに関する新しいサービスの追加とそれに伴う価格体系を刷新すると発表した。
トレジャーデータは、2011年に米国シリコンバレーで、ビッグデータ分析に知見のある芳川裕誠氏、太田一樹氏、古橋貞之氏の日本人3人が設立したスタートアップ企業。
米ヤフー共同創業者のジェリー・ヤン氏らから出資を受け、ビッグデータ業界で注目を浴びている。2012年には日本法人を設立し、2013年5月に日本国内での本格展開を発表している。
同社が提供している「トレジャーデータサービス」は、同社が開発した技術とHadoop、クラウドサービスを組み合わせて、「短期間&小額投資」で大容量のセンサーデータや購買取引データ、Web閲覧・アプリケーションログデータといった時系列データの処理や分析基盤を提供できる特徴を持つ。
サービスを利用しているユーザ事例について、既に利用しているクックパッドに加えて、GREE、良品計画といった企業が新たにサービスを採用している。
新たに追加されたサービスと価格体系
今回新たに追加されたサービスは、「トレジャークエリアクセラレーター」と「トレジャービューワー」の2つ。
トレジャークエリアクセラレーターは、アドホックなクエリーの実行速度が従来の10倍から50倍に高速化され、データ集計や分析をさらに早く実行できるるオプションサービス。目的に応じて、既存のバッチ型クエリエンジンと使い分けをすることができる。トレジャーデータ Founder&CTO 太田一樹氏は「過去のベンチマークで300億件のPOS解析を約30秒で実行できた事例がある」と述べた。
トレジャービューワーは、データの可視化をブラウザ内で行えるレポーティングサービス。太田氏は「可視化サービスの提供は今回が初めて」とした上で、「トレジャービューワーは簡易な可視化ツールのため、高度なエンタープライズのBIが必要なユーザには他社のBIツールを薦めることもあるが、価格感に見合わないといったユーザもいるため、そういったユーザ向けのサービスである」と言及し、「SQL構文を書くことができないユーザでも簡単に利用することができるマーケティング担当者やマネジメント担当者などに向けたサービス」と語った。
また価格体系は、月額3,000ドルの「スタンダード」価格とユーザ企業ごとに価格を設定する「カスタム」の2種類しかなかったが、月額7,500ドルの「プレミアム」が新設された。プレミアムサービスを利用することで、レコード数やユーザ数といった増加に加え、同社専任のサポートが受けられる。