「やる気」と言うのは簡単だが、「やる気を出す」ことと「やる気が湧く」ことではかなり違う。「出す」と「湧く」の違いを踏まえると、何かをやらなければいけないとき、「やる気を出さなければ」と考えるよりも「やる気が湧くにはどうしたらよいのか」というアプローチの方が効果的といえる。

Dumb Little Manが「やる気を出すことがいかにあてにならないか、そして失敗に終わるのか、その理由(原題:Why Getting Motivated Is An Unreliable And Frustrating Strategy)」という記事で、「湧く」ようになるための考え方を説明している。

やる気を出すことがアテにならない理由は、あなたの意志の力に依存するからだ。「やらなくては」という考え方に始まり、なんとかしてやる気を出すためにあの手この手を使って、やる気を奮い立たせようとすることになる。調子が良いときはそれで問題ないのかもしれないが、疲れているときやそんなムードではないときは、なかなかうまくいかない。

一方で、「やる気が湧く」という考え方は、もっと自然で無理がないように感じる。だが本当に自然にやる気が湧いているのなら、この記事を読む必要はないだろう。自然に湧いていない人が「湧く」ためにはいったいどうすれば良いのだろうか。

やる気が湧くメカニズムを把握する

やる気が湧く構造を考えて見ると、まずは「できる」という確信のようなものがある。この「確信」と「やることでなにが得られるか」についてイメージできる場合に「人々は行動をとる」と記事は説明している。

自分に課したり、課された目標に対して、それが「できる」と思うことや「目標を達成することで得られること」があって、それによって行動につながるということだ。なお記事によれば、やる気が「出ない」場合も、できるという確信がないことが問題の核心にあるとしている。

記事では、日本でも"ケンタッキーフライドチキン"でおなじみのKFC創業者Colonel Sanders氏の話を紹介している。

Sanders氏は自分のフライドチキンのレシピをレストランに持ち込んだが、1008回も断られ続けたのだそうだ。

だが、自分と自分のレシピに対する確信があり、幾度もの落胆を経たのち、最終的にとあるレストランから認められて成功を果たした。

それ以外にも重要なこととして、Sanders氏は「その前に成功を経験している」という点を挙げている。成功体験、つまり自分への自信や確信が「湧く」につながっているのだという。

具体的なステップは何か?

目標が到達不可能に見えるから、やる気が「湧かない」という可能性もある。目標を到達できる大きさに変えて「確実にこなしていく」ことを考えよう。

まず、「やる気を出さなければ」という気持ちを捨て、意志の力を使って小さなことをやってみよう。

そのために、やるべきことを細分化しておく必要がある。小さなことが積み重なると成果が感じられるようになり、確信につながっていくはずだ。

そして反復性のあるものはクセにしよう。資格を取るという目標があるのであれば、1日に30分勉強するという小さな目標を据えて、これを週5日のペースで反復する。

一週間、二週間と続いていくと自信が出てくる。これをクセにすることができれば、自分のものだ。やる気という意識をせずに目標へ向かっていけるのだから。

最初はちょっとした意志の力が必要だが、試してみる価値はあるだろう。