業界を問わずビジネスを取り巻く環境は刻々と変化している中、上に立つリーダーは企業や部門の戦略変更を実行に移していく必要がある。だが部下の理解を得らず、それどころか反発すら受ける…。そんな状況に対して、「人間にとって変化への反発は当然の反応、反発を個人的に受け取る必要はない」とリーダーシップ専門家John Maxwell氏はアドバイスする。ではどうやってチームメンバーをリードすればよいのか。Maxwell氏のブログからアドバイスを拾ってみよう。

Maxwell氏は60以上の著書を持つリーダーシップやマネジメントの専門家だ。トップの人間や自分の意思決定により、スタッフにも同意して従ってもらうことを同氏は「自転車で坂を登ったり、上流に向かって泳いだり、向かい風の中を走るようなもの」と喩える。ポイントとしては、変化に抗うスタッフに圧倒されることなく、克服することが重要と念を押す。

では具体的にどのように進めていけばよいのか。以下のようなステップになるという。

変化は摩擦を生むもの

人は慣れた環境やルーティンを好む。習慣を変えることを嫌い、その要因に反抗しようとする。だから、もし変化に対してチームメンバーが難色を示したとしても、それは当然の反応。個人的に受け止めないようにしよう。

20-50-30ルール

新しい提案に対し支援するのは2割、5割は意見なし、残る3割が反対するというのが経験則だとMaxwell氏はいう。反発する3割に理解を求めるのは最後にして、意見を持たない5割を味方に付けること、2割の支持者を奨励することにフォーカスすべきだと助言している。

明確なターゲットを提示

努力の先になにがあるのか、目標を示すことが大切だ。人は登山をするとき、道の先に頂上があると知っており、そこに到達するために山を登る。頂上が分からない状態で登山をすることは難しい。仕事もこれと同じで、新しい方針や戦略の狙い、メリットなどを明確に示すことが大切だ。

課題も最初に伝えておく

頂上の位置を示すことと同時に、そこに至るまでは困難な課題が待っていることも伝えておこう。「困難な道のりになる」と心構えができていない場合、スタッフは不満を抱き、支持を得られないからだ。「変化とは、改善する前に悪い時期があるのが常なのだ」とMaxwell氏。

参加を促す

言われるままに新しいことをやらされるよりも、目標意識を持って責任を与えられた方がやる気が出るもの。一部の作業はスタッフに任せて自分たちが進捗を把握し、作業のペースを調整できるようにしてはいかがだろう。

途中で成果を確認

変化の途中で、一旦停止してチーム全体で成果を喜ぼう。人は認められるとやる気がでるもの。変化への道のりが長いほど、途中での確認を大切にしたい。