伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は12月5日、グループ会社であるマレーシアのCTC Global SdnとシンガポールのCTC Global Pteと共同で、遠隔地にある複数のデータセンターにあるクラウド環境を連携した実証実験を、2014年1月から開始すると発表した。
同実証実験は、複数のデータセンターを仮想的に1つに統合する「自律型データセンター(Autonomous Datacenter)」を目指した実証実験で、データセンター内の各機器をソフトウェアで自動制御する技術を用いて、マレーシアとシンガポールのクラウド環境を統一的に制御し、サービスの負荷分散や、日本を含めた遠隔バックアップの実証実験を行う。
同社では、日本国内での検証結果に基づき、今回、東南アジア地域でビジネスを展開するグローバル企業の、国をまたいだシステム連携やBCP(Business Continuity Planning)対策の需要を想定し、マレーシアとシンガポール間での自律型データセンターの実現に向けた、複数のデータセンターを連携したクラウド環境の実証実験を開始する。
また、マレーシアと日本間では、長距離でのDR(Disaster Recovery)環境を構築し、データ伝送量を削減する技術(重複排除技術)を使用して、データ複製にかかる時間や遠隔地でサービスが開始するまでの時間等を測定。許容される目標復旧時間(RTO:Recovery Time Objective)や目標復旧時点(RPO:Recovery Point Objective)を算出し、今後、国をまたいだシステム構築にそのノウハウを活用する。
同検証用データセンターについては、海外ではNTTコミュニケーションズのデータセンターであるサイバージャヤ3データセンター(マレーシア)とセラングーンデータセンター(シンガポール)を、日本ではCTCのデータセンターである横浜コンピュータセンター(YCC)を使用する。また、ネットワークについてはNTTコミュニケーションズのArcstar Universal Oneを使用。サーバ、ストレージ、ネットワーク等のIT機器に異なるメーカーの製品を使用することで、マルチベンダー環境のシステム統合についても検証する。
なお、同社では、実証実験結果を踏まえ、マレーシア、シンガポール、日本の3カ国を連携させたオンプレミス型のクラウドソリューションを販売する予定。