先週末、米国は年末商戦の初日とされる感謝祭と"ブラックフライデー"を迎えた。オンラインでのショッピングは前年から約19%増と順調に伸びた。中でもモバイルのトラフィックは4割も伸びるなど、モバイルコマースの急伸を思わせる結果となった。
感謝祭の11月28日とそれに続くブラックフライデーの11月29日の2日間は、年末商戦の始まりとして注目される。
約800の小売りサイトを調べた米IBMのクラウド分析ツール「Digital Analytics Benchmark」によると、今年のオンラインショッピングの売上げ高は、28日は前年比19.7%増、29日は同18.9%の増加となった。1回の注文に費やす金額は135.27ドル、これも前年比2.2%の増加という。
IBMでは今年のトレンドとして、モバイル端末の利用を挙げている。スマートフォンとタブレットを合わせたモバイルトラフィックは今年34%増加し、オンラインショッピングの売上げに占める比率は21.8%に至った。これは前年から43%の増加という。
IBMではスマートフォンとタブレットの利用方法の違いについても分析。スマートフォンからのトラフィックはタブレットを上回ったが、実際のショッピングではタブレットが全体の売上高の14.4%を占め、スマートフォンの7.2%の倍となった。1回の注文で費やす金額もタブレットの方が高かった。このことから、「スマートフォンはブラウジング、購入はタブレット」とIBMはそれぞれの端末の用途を分析している。
なお、プラットフォームでは、iOSユーザーの方が購入金額が高く1回の注文で費やす金額は127.92ドル、売上げ全体に占める比率は18.1%。一方のAndroidの購入金額は105.20ドルで、全体の比率は3.5%だった。トラフィックはiOSが全体の28.2%を占めたのに対し、Androidは11.4%だった。
もう一つのトレンドがソーシャルだ。FacebookとPinterestの比較では、Pinterestからのトラフィックの平均購入金額は92.51ドル、Facebookの場合は52.3ドルだったが、コンバージョンはFacebookがPinterestの4倍となった。
米Adobe Systemsも感謝祭とブラックフライデーの調査を発表している。それによると、11月28日の売上げは過去最高の10億6000万ドル、29日は19億3000万ドルと概算している。28日は前年比18%増、29日は同30%増という。やはりモバイルのトレンドを指摘しており、2日間での購入金額はiOS端末が5億4300万ドル、Androidが1億4800万ドルと推計している。