シトリックス・システムズ・ジャパンは11月29日、米Ctrixが2013年7月に行った「ビジネスにおけるモビリティ(Mobility in Business)」に関する調査の結果を発表した。この調査は、世界17カ国の決定権を持つIT管理者1,700名(100名×17カ国)に対して行ったもの。各国において調査対象とした企業は、いずれも従業員数が500名以上の企業で、24%は500-999名の企業、76%が1,000名以上の企業。
調査対象国は、イギリス、アメリカ、カナダ、中国、インド、ブラジル、ロシア、フランス、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、オーストラリア、シンガポール、日本、韓国、タイ、台湾となっている。
それによると、71%の世界の企業がモビリティをビジネス上の重要事項としており、63%が組織の競争性を高める最大の要因として認識していることが明らかになった。
従業員が場所や端末に制約されることなく仕事をすることができるという点で、最も先端をいく国は中国(69%)と米国(63%)で、世界平均の43%と比べて高い。従業員が場所や端末に制約されることなく仕事をすることができ、それを全面的に奨励しているという点でも、中国、米国は世界を率先しており、世界平均の29%を上回る48%の組織がモビリティを奨励しているが、日本は、それぞれ31%、22% といずれも平均を下回る数値となっている。
BYOD(Bring Your Own Device: 私物デバイスの業務利用)については、74%の企業が私物デバイスのビジネス利用を許可、承諾または奨励しており、BYODが急速に標準になってきている。
これらの企業うち、76%が社内ネットワークにアクセスする未確認デバイスの1日あたりの数が100以上と推定し、世界平均では1日あたり425、国別で1日の平均数が高かったのはブラジル(994)、ドイツ(728)、カナダ(649)および日本(618)。
利用している端末では、Androidが最も支持されているモバイルプラットフォームで、72%の企業が採用しているか、あるいは今年中に採用する計画があると答えている。Apple iOSは54%の企業で採用または今年中の採用の計画があるという回答を得ており、回答者の48%が昨年に比べ利用が増加したと回答している。
マイクロソフトのWindows 8は同社のWindows Mobileより高い人気を得ており、Windows Mobileが32%に対して、46%の回答者がWindows 8の採用または採用の計画があると回答している。
BlackBerryかなりの採用企業で利用されているが、昨年から利用が増えたと回答した企業は18%にとどまっている。
従業員が必要としている主なモバイルアプリケーションは、営業、CRMまたはデータベースに関連するもので、それ以外には、社内ポータル(46%)、メッセージアプリケーション(43%)、Facebook、ツイッター、LinkedInなどのソーシャルメディアプラットフォーム(43%)、ファイル同期および共有プラットホーム(41%)も高い割合で従業員に求められている。
モバイル戦略の正式なサポートを妨げる主な障壁では、新規デバイスおよびクライアントへのセキュリティ管理の欠如(38%)、モビリティに不適切なレガシーシステム(37%)および複数のモバイルオペレーティングシステムをサポートする問題(36%)が上位になっている。
そして、米Ctrixは調査結果を以下のように総括している。
「モビリティは、驚くほど短期間に、IT部門にとって常に悩みの種であった特異なユースケースから世界中のビジネスの最優先事項となりました。
企業は、迅速に対応し、モビリティのビジネスにもたらす価値を見出し、戦略や利用する際のポリシーを作成、必要なテクノロジーを実装するに至っています。従業員は、どこにいても、どのデバイスからでも、自分が働きたい働き方で働く自由を取り入れ、より高い生産性と満足を達成するために、積極的に適応しています。
従業員の利用する私物デバイスとサードパーティによるアプリは現在、組織数が増大していくという環境において重要な一部ですが、その一方でIT部門は、従業員がどこでどう働こうとセキュリティおよび管理を保証するための新しいツールを活用しています。結果として、組織は、コストの削減を行いながら、より高い柔軟性を達成し、顧客への対応を改善し、よい人材をより効率的に維持し、組織の競争力を向上させることができます」