ロフトは29日、東京都・渋谷の西武渋谷店モヴィーダ館6・7階に新業態「LOFT&」をオープンした。
「LOFT&」は、クリエイターや他業態とコラボレーションすることで、新たなことを生み出していくプロジェクト。マスプロダクツ(大量生産品)を扱う既存の「ロフト」業態に対し、同業態ではワンオフ(単品生産品)やマスプロダクツのカスタマイズなどの切り口で、"ここにしかない"生活雑貨の新たな可能性を探っていく。同業態は2フロアにわたって展開されているが、ここでは7階「LOFT & Creation」を中心に紹介していく。
デザイン性の高い雑貨を"100均"感覚で買える「HYACRE」
同フロア内のメインコーナーともいえる「HYACRE」は、デザイナーたちが手がけた製品を、100円・300円・500円など1,000円未満で購入できる商品として販売するプラットフォーム。HYACREという名称は"100円クリエイティブ"から取った造語で、多くの消費者にクリエイティブの素晴らしさを提供することを目的としている。
オープン当初にラインナップされているのは、「たきプロダクツ」による紙素材の雑貨、スイーツデコ雑貨や海外の切符、ステッカーなど多岐にわたる。また、「HYACRE」の発想の原点となった、イギリス発の1ポンド・3ポンド・5ポンドで買えるデザイナー商品を展開する「THE POUNDSHOP」が、初の海外出店としてブースを設けている。「HYACRE」は特定の企業などではなく、個人あるいはグループのクリエイターと生産・販売のバックグラウンドをマッチングさせる場として展開するということで、今後も新商品が続々と追加されるとのことだ。
このほか、同フロアでは「LOFT & Market」としてクリエイターが手がけた製品を展示・販売。アーティストグッズのセレクトショップ「東京アーティストマンション」の参加作家のグッズや、「ほぼ日刊イトイ新聞」が展開する「ほぼ日ストア」オリジナル製品などをラインナップ。常設コーナーのほか、期間限定で様々なクリエイターが入れ替わるブースや、展示会・ワークショップなどに利用するフリースペース「LOFT Forum」も設置されている。
英国在住のGeorge WuとSara Melinがプロデュースする「THE POUNDSHOP」のポップアップコーナー |
「LOFT & Market」内では、ひびのこづえや押忍!手芸部など、「東京アーティストマンション」に参加するクリエイターのグッズを展開するほか、ほぼ日刊イトイ新聞のプロデュース雑貨を集めた「ほぼ日ショップ」も設置されている |
無印やLOFTの商品をカスタムするデジタル加工工房「&Fab」
クリエイターたちが生み出した雑貨がひしめき合うフロアの一角にある「&Fab」は、レーザーカッターやUVプリンタなど、最新のデジタル加工機器を来店客が気軽に利用できる"デジタル加工工房"。来店した人がクリエイターとなり、LOFT、あるいは「LOFT&」に協力する無印良品の製品をカスタマイズし、オリジナルの一品へと作り替えることができる。
このコーナーの立ち上げにあたり、技術協力を行っているのは、次世代のものづくりを研究する「FabLab(ファブラボ)」のひとつである「FabLab Shibuya」。同コーナーのスタッフによれば、無印良品の製品は形も素材もシンプルなため、工作機械での加工に向いている物が多いという。
また、加工を受け付ける条件は「LOFTと無印良品で取り扱う製品」となっているが、その種類は膨大なものとなるため、オープンからしばらくは12時までを研究の時間とし、両店舗から製品を借りて加工テストを実施する予定だという。そのため、加工可能な製品リストは今後充実していくということだ。
「LOFT & Creation」のフロア全体がクリエイターたちの個性を前面に押し出したものとなっているため、オープン後もクリエイターの入れ替わりやグッズの変更などにより、売り場の様子は刻々と変化していきそうだ。オープン後の展開にも期待したい。