ダイヘンは11月27日、電気自動車(EV)などに電源ケーブルを介さず非接触で電力を供給するワイヤレス給電の普及を見据え、正確な位置合わせが不要で、kHz帯からMHz帯までの幅広い周波数に対応できるワイヤレス給電用高周波電源システムを発表した。
これまで、MHz帯の電源システムは、内部損失が大きく低効率かつ高コストだった。そこで今回、最先端の半導体製造用電源システムの開発で培った多様な高周波関連技術、および溶接機や太陽光発電用パワーコンディショナの開発で培ったインバータ技術を組み合わせることで高効率化および低コスト化を実現した。
具体的には、MHz帯を利用することで、電気自動車などに組み込まれる受電コイルをkHz帯に比べて1/5~1/100に小型・軽量化した。低コスト化も図ったという。加えて、送受電コイル間に位置ズレが発生した場合でも高効率な電力伝送が可能になった。
同システムを利用することにより、実用化へ向けた開発が加速するものと期待される。今後は、大学などの研究機関や国内外の企業との協業を推進することで、様々な用途に対応できる電源システムの開発を行い、新たな事業展開を図っていきたいとコメントしている。