計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは11月26日、複数の規格に対応し、携帯電話や無線通信機器を最大で32台同時に測定できる量産向けワンボックステスタ「Agilent E6640A EXM ワイヤレステストセット」を発表した。

同製品は、測定速度、確度に優れる他、パラレルテスト構成に対応し、携帯電話や無線通信機器の迅速な製造ライン立ち上げや量産の最適化に寄与する。また、先端の携帯電話および無線LANチップセットに対応しており、テスト開発の短期化に繋がる。

具体的には、送受信(TRX)チャネルを最大で4セット搭載できる構造を採用、スケーラビリティを向上させた。各TRXは、ベクトル信号発生器、ベクトルシグナルアナライザとして機能する。さらに、RFポートを4ポート(全二重2ポート、半二重2ポート)搭載しており、高いポート密度を実現している。同時測定数を増加させる場合には、マルチポートアダプタ(MPA)技術を利用する。これにより、最大32台のパラレルテストに対応する。

加えて、160MHzの帯域幅、最大6GHzの周波数に対応している他、測定可能な通信規格はLTE-Advancedなどの携帯電話規格から、マルチアンテナ(MIMO)を採用した802.11acなどのワイヤレス接続規格まで、多岐に及んでいる。測定アプリケーション「X」シリーズにより、各規格独自の調整や検証機能などにも幅広く対応している。

この他、製造スループットの最大化を実現するため、クワッドコアプロセッサ、広帯域のPXIeバックプレーン、最先端のシーケンスアナライザ機能を搭載している。また、測定時間の短縮化に向け、1回のデータ捕捉で複数の試験を実行できる機能も実装した。さらに、優れた信号品質ならびに測定確度により、歩留りの向上にも寄与する。例えば、パワーレベル確度はクラス最高となる±0.5dB(3.8GHz時)、レシーバEVMノイズフロアは802.11acの試験で-42dBmとなっている。

なお、販売開始は2014年1月6日を予定している。

アジレントの量産向けワンボックステスタ「Agilent E6640A EXM ワイヤレステストセット」