アドバンテストは11月26日、SoCデバイス向けテストハンドラ「M4871」を発表した。

同製品は、被測定デバイスへのコンタクト位置精度を画像処理で高精度に補正する「両面 visual alignment」機能、被測定デバイスへの高精度、高レスポンスの温度印加を可能にする「Active Thermal Control」、およびネットワークを介してテスト状況をリアルタイムに監視できる機能などが新たに加えられた。

このうち、「両面 visual alignment」機能は、テストの歩留り向上とサイクルタイム削減に寄与する。ボールピッチ0.3mm以下のハンドリング位置精度を備え、さらにデバイス両面の画像処理を実現し、最先端のファインピッチデバイスや両面実装デバイスのテストに最適となっている。また、デバイス品種交換時におけるシステムのセットアップと調整が時間短縮され生産性が向上する。

「Dual-fluid design」技術は、システムダウンタイムを大幅に削減することにより、総合設備効率(OEE)を高めテストコストを抑える。例えば、低温/高温下で生産中にジャム(デバイスのピッキング不具合)が生じた場合、従来機種では温度を常温に戻す必要があり、ジャム解消から生産への復旧まで約1時間を要するのに対し、同技術では急速な温度制御を可能とし、生産への復旧時間を10分以内に抑えることができる。

さらに、低温テスト時の除霜時間も大きく短縮した。冷却に液体窒素を用いる従来機種では月10回以上の除霜作業が欠かせないのに比べ、「M4871」は-10℃の温度設定で連続して14日間稼働が可能で、除霜作業は月約2回で済む。1回の除霜に要する時間も、従来機種の2時間以上から10分以内と大幅に短縮し、ダウンタイムの削減に寄与する。

「M4871」の基本構成は8個同時測定で、1時間当たり最大8000個のテストスループットを実現している。この他、16個/32個同時測定へのアップグレードや、多ピンデバイスへの対応、温度制御の消費電力削減、チェンジキットのコスト削減など、システム設置後も様々な機能拡張が可能となっている。

アドバンテストのSoCデバイス向けテストハンドラ「M4871」